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148 ティファール女王の呼び出し



「ちょっと!?それおかしくないですか?敵側の心境ですよね?」


私は黙ってはおられず、セイレス女王にツッコミを入れた。


「あぁその事。それは理由があるんだけど・・・、それはザバるんの祖父母に聞いてね。ウフフ。」


笑顔でセイレス女王に言われるのだが、違和感がある言葉使い。いつの間にか女王にザバるん呼びされてるし、友人みたいな話し方。


「祖父母?」


疑問が頭を占領しだす。


「そうよ。ロマネス様とミネルバ様に聞いてって事よ。ウフフフフ。」


益々笑うセイレス女王に降参した私は先を促すことにした。もう昼食の時間だけど・・・。



◇◇◇◆◇◇◇



「早く殺すが良い。」


「そうもいかないんだよね。証言してもらいたいから。」


「我ら≪闇の者≫は契約している限り契約主を裏切る事など無い!」


「それは知っているとも。」


ロマネスは≪闇の者≫に対して答える。≪闇の者≫と自称する者は他の者からゼロゼロワンと呼ばれていたのでそれが名前かと聞いたが違うと返された。


「あんなにアッサリと我が負けるとは思わなかった。何故このような魔力の低い者に負けてしまったのだ?」


「うん?低い?おかしいな?」


≪闇の者≫に言われた事に首をひねるロマネスだが、相棒のミネルバが戻ってくるのを見て手を振る。


「もう終わった様ね。もしかして・・・。」


「そう、イフとウィンに力を借りたんだ。」


「殲滅したのね。まぁ一人は取り押さえている様だから良いわ。」


そう言うと結界を≪闇の者≫にかけるミネルバ。


「これで良しっと。流石に悪魔を連れて城に入るにはこれ位頑丈にしとかないとね。」


「そうか、下位の名前がない悪魔でも確かに普通の人からしたら脅威だもんね。力を抑える封印が必要だね。」


「じゃ、行きましょう。証拠も揃ったわけだし、後は明日以降だね」


「そういう事。」


二人は笑顔で話し合っている。


「くそ。」


自称≪闇の者≫悪魔は悪態をつく以外できなかった。何せ只の二人にイヤ、たった1人の人間に下位とは言え1000体もの悪魔がやられたのだから・・・。



◇◇◇◆◇◇◇



数日後に全貴族が呼び出しを喰らう事になった。


「本日は一体何故、呼ばれたのか?」


呼び出された貴族は皆不安な顔をしながらあれでもないこれでもないと会話をしながら、ティファール女王が入られるのを待っている状態である。


「ティファール女王の入場である。」


衛兵の掛け声と共にティファール女王が姿を現した。続いてセイレスと例の冒険者二人が姿を現す。

静かになる王の間。


「先日この我が城に対して襲撃をした者が居る。」


貴族達の顔が一気に不思議そうな顔になる。


「どういう事ですか?人が動いた後や城には破損も見られませんが?」


一人の貴族が質問するがそれに答える様にティファール女王は言う。


「そうだ。人は動いてはおらぬ。悪魔が集団で襲撃してきたのだ。」


悪魔と聞いて一部を除いた貴族たちの顔が青くなる。


「悪魔だその証拠を見せよう。」


ティファール女王が合図をすると衛兵たちが動き出し貴族と女王の前に死体となった悪魔が置かれる。


「これでも証拠が足りぬと言うなら、城の南西にある空き地を調べよ。まだ魔力の残滓が残っておろう。」


これについて反論する事は誰もしなかった。


「その悪魔の集団は1000以上と聞いておる。全てこのSS級冒険者である≪(ホワイト)(ブラック)(シャイニング)≫によって討伐された。」


おお~。という声が自然と上がる。


「本当かよ?」


不審がる声があがる。


「これを。」


ミネルバの手にある水晶のような物が光り輝き出すとホログラフの様な物が浮かび上がる。その映像はロマネスが対峙している様子が鮮明な映像として見える。戦いの一部始終が映し出されている様で映像が流れ続ける。


「凄い。」


「これほどの力があるとは・・・。」


感嘆の声が辺りを埋め尽くす。


「さて、これ位で良かろう。異存がある者はおるまい。」


映像は止められ、ティファール女王が辺りを見渡しながら確認をとる。


「恐れながら申し上げます。その映像が先日である証拠にはなりますまい。日時があるわけではありませんから。」


「ふむ。ギガン侯爵か。確かにその通りである。がしかし、裁判では無い。このような事があった事を示す証拠としては問題あるまい。」


「はっ。おっしゃる通りでございます。」


ギガン侯爵は直ぐに引く。


「他にはあるか?」


「では、これは悪魔の仕業であるという事でございますか?今後どうなさるおつもりでございますか?」


「うん?これが悪魔の単独の仕業であるとは言っておらんぞ。この襲撃の首謀者はこの中に居る。」


ティファール女王の言葉に一気に騒めき出す貴族達。中には怒りを露わにする者も居るようだ。


「そう騒ぐ出ない。今回の事は皆の前で決着をつけようと考えておる。ミネルバ頼めるか?」


「はい。ティファール女王様。では、皆さまこちらをご覧ください。」


ミネルバの合図で衛兵がまた皆の中央に袋をもって入って来る。そしてミネルバが魔力を込めると袋と思われていた物が急に消えてなくなる。そしてそこに現れたのはあの最後の生き残りゼロゼロワンの姿があったのだ。



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