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140 ロマネス・マカロッサとミネルバ・マカロッサ



ザバルティ・マカロッサの父はアルカティ・マカロッサ。

そしてそのアルカティ・マカロッサの父がロマネス・マカロッサである。

ザバルティから見れば祖父にあたるロマネスにも勿論ではあるが若き頃があった。


「そうだねぇ~。私が10歳ぐらいだった頃かね?その当時、SS級冒険者としてこのロードスト大陸で名を馳せた男が居てね。その男はホワイトドラゴンを従魔として従えており、フェニックスという精霊を使役し、剣の腕は世界一と言われる程の男だったんだよ。それがロマネス様さ。あぁ、忘れては怒られてしまうね。そのロマネス殿と唯一無二のパートナーが大賢者ミネルバ様だ。神聖魔法の使い手でもあり属性魔法と無属性魔法の使い手でもあった女性SS級冒険者。そう、君の祖母殿だよ。」


「はい?」


ここでなんで、祖父母様の名前が出てくるのでしょうか?


「知らなくても無理はない。二人共、貴族出身である事を隠されていたからね。パーティー名は冒険者をしていたら聞く事があるかも知れないね。≪(ホワイト)(ブラック)(シャイニング)≫は有名だよ。それが一国家の下級貴族をしてるなんて誰も思わないだろうがね。くっくっく。それを知ってるのは我らフリーア一族の者だけだろうね。」


「フリーア一族?」


「そうだよ。フリーア一族だよ?うん?もしかしてそれも知らないのかね?どうやら婿殿の父母・祖父母殿達は教える気が無かったのかね?」


「いやいや。何の話ですか?」


「ここまで話したんだ。教えよう。いいかい、マカロッサ家もアスワン家もそしてジェスター家もフリーア家を祖先に持つ親戚なんだよ。」


「「「えぇー!!!」」」


「なんだい。エリザネスもマリリンも知らなかったのかい?」


ぶんぶんと頭を上下に振り肯定する二人の王女に私。


「まぁ、そんな事は些細な事だ。それよりも≪W・B・S≫の事だよ。」


そんな事?つうかそれがあったから、婚約を許された感じ?私達子供の驚きを余所にセイレス女王は話を続けるようとするのだが、二人の王女も私と同じ様に衝撃的だったらしく驚愕した表情である。唯一この空間の中で変わらないのはギャニック第一王子だけだ。


「そうなんだぁ。僕と同じ血が流れてるんだね?」


首を傾げながら私を見てくる。その言葉に我に返った二人の王女は反応を示す。


「そうか。だから強いのか!」


「これは運命の導きだったのね。祖先様が導いてくれた。」


可笑しい反応だったので私はつい笑ってしまった。


「おぉ、笑顔は祖父にだな。昔見たロマネス様の顔を思い出させてくれる笑顔だ。」


また、セイレス女王の思い出に火をつけてしまったようだ。


「ふむ。これは絶対に話しておかなければいけないな。」


そうセイレス女王は言うとメイドを呼び出し、指示を出し始める。


「今より明日の昼まではわ私と私の子供達の業務を全て他に移し時間をとってくれ。」


「は、はい。」


「すまぬが、私のいや、フリーア一族にとって大切な話となるのじゃ。関係各所に連絡をとり時間を作るように命令を出しておいておくれ。」


「かしこまりました。ではその様に宰相様にお伝えし、時間を作るよう致します。」


「うむ。頼むぞ。」


そう話し終えると、直ぐにメイドが部屋を出る。


「良いのですか?」


「構わぬ。こちらの方が大切じゃ。」


そうこうしていると大きな足音が聞こえてくる。


「セイレス女王!どういう事ですか?」


如何にも文官といういで立ちの男が入って来る。

「ドコラテヌ宰相。そんなに大騒ぎする出ない。客人が居る。」


「こ、これは失礼しました。しかしどういう事です?時間をとれとは?マリリン第三王女と婚約者のザバルティ殿の歓迎会はいかがするのです?」


「歓迎会は明日に回してくれ。急ぎ子供らに伝えねばならぬ事が出来たからの。」


「ですが、貴族たちがおりますし、準備が出来ておりますのに。」


セイレス女王とドコラテヌ宰相との話し合いは平行線のままだ。


「では、こうしませんか?ここには第二王女のベロニカ様が居られません。歓迎会は通常通りおこない。明日一日開けて頂くのは?」


「そうして頂ける方がありがたいのですが。」


「そうじゃのう。その方が穏便に済むかの?」


私の提案に乗っかる宰相。それに同意する女王。


「では、その方向性で調整をして頂けませんか?その方が私としてもゆっくりとセイレス女王の話を聞く事が出来ます。それに明日一日頂ければ、私も色々と話をしやすいので嬉しいです。」


「ふむ。ではそうしよう。ドコラテヌ宰相も良いな。」


「ええ。問題ありません。明日の時間調整はお任せください。」


こうして滞る事無く歓迎会はおこなわれ、ゆっくり寝る時間を与えて頂けたのだ。

ただ、歓迎会では何人からか模擬戦の申し込みを受けたので、後日する事を約束させられた。

セイレス女王の前だったので変に絡んでくる者が居なかったのは良かった事だろう。


翌日。

セイレス女王の元に私達は集まった。今日は長い一日となりそうだと覚悟を決めた私を前にしてセイレス女王が告げる。


「それでは、始めよう。」


私達は城下が一望できる見晴らしの良い場所で朝食を頂きながらセイレス女王の話を聞き入るのであった。



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