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128 アスワン王への謁見



あれから大きな問題は無く、王都テーストへ帰還した私達は予定通りに事を進める。


「ご無沙汰しております。」


「うむ。お主も元気そうじゃのう。色々な意味で。」


マリリン第三王女の父、ケンブリット王との面会だ。


「ワシの娘もお主が良いようじゃし、まさかあのエリザネス王女までもがお主に入れあげるとはのぉ。予想もしておらなんだ。まぁ、娘のマリリンはお主を狙っとるのは昔から知っておたし、遂にこの日が来たかと思うばかりじゃがな。ようやく嫁に行ってくれるというのはホッとするのぉ。」


マリリンはニコニコしている。

なんか、結婚する事が当たり前みたいな感じだけど、婚約しかしてないよね?婚約=確実な結婚なの?破局って無し?あり得ない?もしかして嵌められてる?


≪・・・。≫


カミコちゃんは答えない。そういう事か。嵌められたのね。


≪一つだけ、方法があります。王女の立場より上になれば、相応しくないとして一方的に解除できますよ。≫


それは何?


≪例えば、世界を統一する存在とか?神になるとか?≫


それ無理じゃない?


≪いえ、マスターなら可能範囲です。≫


婚約解除の為の方法が難易度高い気がするよ?特別解消したいとか思っている訳じゃないけど。


「で、いつ結婚するするつもりなのじゃ?学院の卒業と同時かの?」


「いえ。まだ決めておりません。」


「何?まだとな?う~む。そうか。まぁお主の思いもあるだろうから、言わんでおこう。」


「はい。お気遣いありがとうございます。」


「ところで、ザバルティよ。お主の強さは何じゃ?お主の父も祖父も強かったと認識しておるが、お主はその二人と比較しても規格外の強さじゃ。」


そうなのか、父上が強いのは知っていたけど、祖父様も強かったのか。だけど今はこの強さの秘密を早々に話して良いとは思えない。


「マカロッサ家の秘術?とでも言いましょうか。まぁ秘密の特訓とでも言いますか。」


歯切れの悪い答えだと我ながら思うが、どのように答えるべきか?


「お父様。そのようにした聞いた所でドラゴンはドラゴンでございますよ。」


「ふむ。そうじゃの。マリリンの言う通りじゃの。」


マリリンが助け船を出してくれた。ただ、トラはトラじゃなくて、ドラゴンが出てきたのは新鮮だな。


「で、話は変わるが、お主はマカロッサ家を継ぐつもりなのか?」


「?それはどういう意味でしょうか?」


「何、簡単な話じゃ、王女二人の婚約者であるのだから、どちら家の王家に入ってしまえば良いのではないかの?」


そんなもんなの?でも、王子が居るハズだよね?


「我が国には継承権を持つ王子もいるが、ジェスター王国にはおらん。そもそも第一王女であるエリザネス王女が継承権第一位じゃ。」


「えっ?そうなんですか?」


「何せ女系一族だからのう。代々女王の国じゃ。だから、マカロッサ家を継ぐ事は難しいぞ。まぁエリザネス王女が継承権を放棄すれば違ってくるがの。」


それはそれで面倒な話だな。そもそも、長男であるからマカロッサ家を継ぐつもりになっていたけど、父上はどう考えているのだろう?いつも『お前の思う通りに行動すれば良い。』とは言ってくれているが・・・どうなのかな?


「色々な事情もありますが、父上と相談しようと思います。」


「それが良かろう。早いうちに決めておいた方がお主も周りも楽であろう。」


マリリンが終始ニコニコしてケンブリット王との面会は終わった。



◇◇◇◆◇◇◇



「という事で、父上にお聞きしようと思いまして。」


「なるほどのぉ。」


「・・・。」


ケンブリット王との面会を終えて今は屋敷で父母上と祖父母様と一緒に居る。祖父様は頷いているけど、父上は黙って聞いていた。全ての説明を終えた後、四人を見る。


「答えは変わらん。お前がマカロッサ家を継ぐと言うなら継がせるし、継がないと決めたならお前の弟に継がせる。それだけだ。」


「そうじゃな。それが良かろう。本当なら意地でもマカロッサ家を継がせるべきじゃが、ザバルティは普通の子では無いからの。我が国や我が一族だけの問題では無くなりそうじゃからのぉ。」


「という事よザバルティ。お前は私達の子供であると同時に『神の使徒』でもあるのだから、この狭いマカロッサ家の領地に収まっている事はできないとも考えられるわ。だけど、親としては子供である貴方が継ぎたいと願えばその願いを叶えるわ。」


「ふふふ。心配しなくても一族の事は大丈夫よ。それにアルカティもまだまだ現役ですし、貴方の弟達もいますから大丈夫ですよ。」


「ありがとうございます。わかりました。では色々と自分で考えたいと思います。」


「そうしなさい。」


四人共が同じ考えの様で動揺も無かった。最後は皆が優しい笑顔を向けてくれたのを見て、本当に恵まれているとなぁと思った。


「では、エリザネス王女の母国のジェスター王国に行って参ります。」


跡継ぎの件も整理できたし、家族からも大丈夫である意志を確認できたので、スッキリした気持ちでジェスター王国へと向かう事が出来るようになった。








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