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121 ヨコダテの街から その3



あれから、ヨコダテの街を測量したりして回った。ラムザとアイゼンさんの依頼ではこの街の防衛能力を高めて欲しいという事だったので先ずは同の様にして高めるかという事を考える必要がる。その為にも現地調査が大切なのだ。とはいえ、私が出る必要の無い測量なのだが、現地を見て回る事でその地域の風土等を考察する事で出来る為に私も回る。日本建築においては昔の人ほど、その土地に生えてる木を良く使うのはその土地の風土に合う材料はその土地にある物を使う方が良いからだ。まぁ現在の建築にはコンクリートの導入やツーバイフォーという様に簡単に家を造る為の構法が構築されてしまってその土地の風土等を考えられた建物は無くなってしまっているし、建築デザイナーが風土を何処迄見れているか?とか金銭的な問題や工期の問題など色々あって今があるので一概に言えなくなっているが、古民家ぐらいしか風土にあった建物は無いと言える位になってきてしまっているのが現状ではなかろうか?話が脱線してしまったが、風土チェックも大事な測量なのだ。


「ザバルティ様。ここの調査は終了しました。」


「了解。次に行こう。」


「「「はい!」」」


現在、私はダンバル一家と共に動いている。他の者はこの街での拠点にと譲られた屋敷に居る。そうそう、早速私の私設兵団員になった30名に内、私兵として29名がすでに守備隊として働いてくれている。このヨコダテの街での屋敷防衛が中心で今も私の側にユカの直属部隊と第5守備隊の者が護衛として来ている。第五守備隊はサムズウェルが隊長となり9名の部下と共に警護してくれている。また、回復魔法に特化した部隊の創設も今回おこなった。その隊長にキャサリンを任命した。まだ隊士の方は人数が揃っていないが随時編成していくつもりだ。そして今回は鍛冶師の者が1名おり直ぐにゲートを利用し他の鍛冶師と同じく屋敷勤務とした。そして第6守備隊と第7守備隊の設立も出来た。どの隊も10人編成としているので、ユカ直属の部隊から隊長を任命して任せている。


「ザバルティ様。今回も拠点となる屋敷を頂いてしまいましたね。」


「そうだな。」


おかげで、王都の屋敷とゲートで結ぶ事が出来たので、他人の目を気にする事なく移動が出来る様になった。その為に同時に現場を見る事が出来るので当初の予定通り、こちらにも代表を立てて動くつもりだ。


「これで私もザバルティ様の偉業を目にする事が容易くなりました。」


「セシリアは一緒に居て色々吸収したいと言っていたもんね。」


セシリアとミーリアが少し後ろで会話している。こう考えると、良い仲間に出会える【幸運の星】の力は絶大だと思う。【神の使徒】などの直接的な力も凄いのだが、良き人との出会いは人生の転換期においてとても深く左右するファクターであると言えるのではないだろうか?


「セシリア。」


「はい。」


「これからも力添えを頼むね。」


「え?勿論です。どちらかというと、今までにない建築に対する知識を頂いてばかりで、申し訳なく思っています。」


「大丈夫ですよ。ザバルティ様は何せ【神】なのですから。」


「ははは。そうですね。【神】でしたね。」


たまにこうやって弄られる。今回も【神の使徒】の力を活用して大事をしてしまって、周りに呼ばれてしまうからだ。


「そう揶揄うなよ。」


「そうですね。【神】を揶揄うなんて恐ろしい事ですもんね。」


王女二人との婚約以降、ミーリアはチョクチョクこうやって弄ってくる様になった。はぁ~。


「ミーリア様もそれ位にしてあげてください。ザバルティ様の意志で婚約されたわけではないのですから。」


「そうは言うけど、何か悔しいじゃない?シーリスだって同じ様に思うでしょう?」


こうやって、シーリスやアイリーン達大人の女性達が助けてくれようと、ミーリアを窘めたりしてくれるのだが。


「確かに、思う所はあります。が、そんな事をして婚約が無かった事になるわけではないのですから。それよりも・・・ごにょごにょごにょ。」


最後の方は小さい声でミーリア、セシリアとユカにだけ聞こえる様に何かを話している。


「そうよね。一人どころか二人もですから、狙えるわけよね。」


「そうです。何人いても良いのですから。」


何事かを企んでいる様子の笑顔になる女性陣。それが聞こえていたのか護衛の男性陣は私に憐みの目を向けてくる。


「大将。色々と大変ですね。」


そういう言葉が聞こえてきそうな目だ。目は口以上に物を言う。それを目の当たりにした感じだ。これは私にとって良くない事が起こる前兆ではなかろうか?


≪何事も経験ですよ。それに【幸運の星】の影響ですから、お気になさらず。≫


こういう時のカミコちゃんの言葉は、往々にして抵抗出来ない様な事が起こる時だ。


≪これは心外です。≫


事実、前回の婚約はこういうパターンだったよ?


≪そうでしたか?≫


とぼけるカミコちゃん。ねぇ、何か企んでない?


≪何の事でしょうか?≫


はぁ~。先が思いやられるよ。





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