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12 準備 その2



従者三人とワイワイしながらテストの準備を始めて数日後。今日はお爺様とお婆様に用意して頂いた物を受け取りに行く日だ。そう従者専用の武器と防具をもらう日なのだ。そのまま、エンチャントをかけるつもり。白色の統一感ある装備ってカッコいいと思う。軍隊じゃないから違う?まぁ、いつもはつけてないと思うよ。いざって時だけだよ?通常時は武器ぐらいしか携帯しないんじゃないかな?


「自前の装備、わくわくしますねぇ~。」


「私もソワソワしてしまいます。」


「やっと、騎士らしくなる。」


って三人も嬉しそうにしている。内容については内緒にしてある。が、やっぱり嬉しさは隠せない。

今日は馬車を使ってお爺様の屋敷へ向かっている。途中で野生のモンスターに出会ったりしたが、三人の従者の実技練習を兼ねて任せている。ちなみに冒険者ギルドに持って行くとランクアップの資格が得れるはずだ。ちなみに、10歳を迎えた後、僕たち四人は冒険者登録をしている。ギルドにあるフリー依頼でゴブリンやオークにスライムとラビットなんかの討伐があるので、解体したりして意外とのんびり進んでいるが皆慣れたもんで、手際が良い。ランクはCである。何せ貴族のボンボン扱いなので、高ランク依頼につらなる物は受け付けて貰えない。地元では面が割れているからだろうから、無理をしてないから、Bランクには成れていない。15歳になって成人したから今後は色々受け付けて貰えるはずである。


「ザバルティ様。今日は目的が別にありますので、ここからは急ぎましょう。」


って、随分とモンスターを狩っていたと思うが・・・。だってわざわざ森に入って行ってたもんね。

収納魔法をトーマスに教えたので、オークの肉や魔石などはトーマスが持ってくれている。


「では通常の道へ戻り急ごう。」



◇◇◇◆◇◇◇



挨拶もそこそこにお爺様とお婆様から、武器と防具を頂いた。

ロバートは片手剣と大きい盾に全身鎧。

アリソンは籠手とハーフメイルにピアス。このピアスが杖の代わりになる。

トーマスは剣とハーフメイルに弓。

どれも、魔鋼が使用されている。もちろん名前は無い。つけてないから。これらにエンチャントを封じ込めて永続的な付与をつける。一時的な物はこの間のドラゴン戦に私が使った物があるが、時間が経過すると無くなる。付与魔法の短期間版だね。ここからするのは、永続的に付与がつくように魔方陣を書き込み道具に定着させる方の付与。これは普通は時間がかかる物らしい。私の場合はそんなに大変ではないけど。お爺様が私を呼んで小さい声で話しかけてきた。


「ザバルティ。まだこの者達には話をしておらんのか?」


「はい。まだしておりません。時期をみて話はするつもりです。」


「その方がええじゃろう。苦楽を共にする仲間には隠し事はするべきでは無い。しかし、お前の話はあまりに大きすぎて信じてもらえないだろうからの。」


「はい。今後、学院にもいきますし、先ずは父上と母上に話をしようとおもっています。」


「うむ。そうじゃの。その時はワシも同席しよう。」


「ありがとうございます。」


「よいよい。そんなにかしこまるな。ワシとお前の仲じゃろうが。」


と言って、お爺様は笑ってくれた。信頼ができる人が居るというのはとても心強いなと思った。父上と母上。いつの日にか、この三人にも話をして受け入れてもらいたい。そう思った。


「では、皆さん。食事の用意もできていますから、今日はゆっくりくつろいでください。」


「「「ありがとうございます。」」」


その後、六人で食事を囲み、お爺様の屋敷で休ませて貰った。翌日お爺様をつれて父上と母上の元に戻り事になった。私はその夜に皆の武器防具にそれぞれ現在最大の四重付与をかけた。全てに付与した後。ふぅーと息を吐いてベットに横になったらいつの間にか寝てしまった。



◇◇◇◆◇◇◇



「ロマネス。あの子は大丈夫かしら?」


「ほほほ。心配せんでも大丈夫じゃよ。わしらの孫じゃからの。」


「あらあら、随分と余裕があるのね。今までは私以上にいつもあの子の話を聞くたびにオロオロしていましたのに。」


「そうじゃったかの?」


「ザバルティが10歳で冒険者登録をして初めての冒険に出た時に隠れてついて行ったのはどちら様でしたかしら?」


「うっ。そこまで言わんでもええじゃろう。サーシャ許しておくれ。」


「ふふふ。仕方ありませんね。でも本当に逞しくなったわね。」


「そうじゃの。明日も早いようじゃし、サーシャも一緒にいくのじゃろ?もう寝ようかの。」


「そうですね。明日は久しぶりの家族水入らずが出来そうですもんね。」


老夫婦は灯りを消し、寝具に横たわる。

二人の顔は幸せそうであった。






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