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116 急募!私の私設兵団員!! その2


「そうか。残念だ。」


そう言って、トーマスに目を向けるとトーマスは頷いて商人を取り押さえる。


「な、何をなされるのですか?」


「決まっている。違法な行為をおこなった者を突き出すだけだ。」


「はぁ?何を根拠にそのような事をおっしゃるのですか?」


「根拠?それは必要か?」


怒気と威圧を商人に叩きつける。すると商人は「ひぃ~!」と言ったかと思うと命乞いをしてきた。


「悪気は無かったのです。ゲインズ伯爵に言われるがまま売り捌いているだけなのです。」


「ロバートは奥の部屋の捜索をしてくれ。」


「わかりました。」


商人は何か物を言っている様だが、完全スルーしてロバートに指示を出して捜索を命じた。

カミコちゃん。チャンネル全回線を繋げてくれ。


≪かしこまりました。繋がりました。マスターどうぞ。≫


『全員聞こえているな?まだ返事は要らない。これから指示する事を直ぐに実行してくれ。私のこの指示を聞いて詳細行動はミーリア、アイリーン、ユカ、ブリエンドが指揮をとれ。中でもミーリアを中心として動いてくれ。現在、王都テーストの奴隷商の所に来ている。エイズという館だ。ここで違法販売を見つけた。すぐさま首謀者であるケインズ伯爵家を抑えにかかる。先ずは父上に報告。王に対する対処をお願いしてくれ。そしてケインズ伯爵の所在を確認し情報を集めよ。そして王直轄部隊が来るまで、ケインズ伯爵宅とここエイズの館を包囲して我々の動きを察知されないよう迅速に動け。随時行動の報告をミーリアにあげよ。以上。』


『『『『『『はい!」』』』』


重なる返事を聞いて回線を切らせた。腸が煮えくり返る感じだ。

今回、何を違法と判断したのか?カミコちゃんにここに居る全ての奴隷をサーチしてもらい。その者の過去をチェックさせたのだが、人攫いをして奴隷化している事がわかったのだ。それもここに居るメンバーではなく、館の奥に隠し通路があり、ケインズ伯爵専用の奴隷として置かれており、罪もない上に罪状も無いのに体を切り刻んだりして快楽の為に扱われた者達だ。現在、アスワン王国において奴隷として売り買い出来る物は国が然るべき裁判の元『奴隷の烙印』を押す以外は認められていない。実はこれはこの世界の共通した決定事項となっている。もちろん、嵌められたり、罪を擦り付けられたりした者は一定数居る現状ではあるが、それでも国の認定を受けた『奴隷落ち』なのである。違法とは国が認めていない『奴隷落ち』した者を扱う商いを指す。嵌められて『奴隷落ち』した者に対しても私は同情するのに、この違法な『奴隷落ち』を許せるだろうか?それは無理な相談というものだ。ミーリアの事件の時と同じだ。許せない。


「トーマス。もうすぐここに仲間が来るだろう。それまではソイツを見ておいてくれ。私はロバートを追いかけて捜索に行く。」


「かしこまりました。」


商人に連れられて来た奴隷やこの館の従業員らしき者達がオロオロしている。


「悪い様にはしない。全員ここで待機してくれ。ただし、これを守らない者はどのような状況になっても私は知らない。」


すこし、脅しも含めて威圧もかけると、皆ピタっと止まる。中には「ひっ!」と言う者も居たが、放置して奥へ向かう。少し奥へ行くと開けっ放しの扉を発見したので中に入ると、また開けっ放しの隠し扉がありその先には階下へつながる階段があった。階段を降りるとロバートが待っていた。


「ザバルティ様。酷い有様です。」


辺りを見回すと大男が3人倒れている。その大男の先には5つの部屋があるのが判る。


「一番奥の部屋には5歳ぐらいの女の子が数人いました。そしてその手前の部屋には10歳ぐらいの女の子達が4人おりました。そしてその手前の部屋には15~25歳位の女性が8人ほどおりました。外傷が無いのは一番奥の女の子位ですが、どうも夜の相手をさせられていた様子が伺えます。」


カミコちゃんより与えられている情報ではあったが、仲間から改めて聞かされ、確認しに行って見ると悲惨さがより深く衝撃として伝わって来る。『狂気の沙汰』という言葉が私の頭を過る。

そこに倒れている男にとどめをさしてしまいたい衝動に駆られるのをグッと我慢して死にそうな者が居ないかを確認する。


≪大丈夫です。それなりの処置を与えられており直ぐに死んでしまう様な者はおりません。≫


『わかった。もし死にそうな者がおればすぐに報告してくれ。死なせはしない。』


≪かしこまりました。≫


直ぐのでも回復させたいのだが、公的立場の者を連れてきて確認させる必要がる。つまり証拠という事だ。


「絶対、お前達を幸せな生活をさせてやる。もう暫く耐えてくれ。」


たぶん、私の言葉を聞こえているであろうが、希望を失っているであろう深く傷をつけられた者達は反応しない。


「ロバート。急ぐぞ!」


「はい!」


ぶっ倒れている男三人を一つの拷問部屋の様な部屋に押し込みそこにある物を使って拘束し、この部屋の外にロバートを待機させ、私は階段を上がった。




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