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114 二人の王女へ その2



「だから、そんなに規格外なんだな。」


「そうですね。ですが体は普通の人族です。」


「やはり、私のザバるんは凄い人なのね。」


「凄いかどうかは分かりませんが、少なくとも超越者である事は間違いありません。」


以外にも驚くことも無く納得している様子だ。


「では、あれは転移装置ですか?」


「そうです。」


「あれを使えば、色々とこの世界は混乱しますね。有益でもあり、恐怖にもなる。」


「その通りです。だからこの秘密を打ち明けた以上、お二人は必ず他言しない様にして欲しいのです。」


「確かにそうね。でも信じてもらえるかも怪しいわね。」


「そうかもしれません。ただ、この転移ゲートだけでも一つの国に渡してしまうと、戦力バランスは大いに崩れ大変な事になってしまいます。だから、お二人に話をするか迷ったのです。王女の立場を止めてもらう事にもなりかねないと思いましたので。」


静まり返る部屋。私は二人の反応を見逃さまいとみつめる。


「ふふふ。秘密を知ってしまいましたね。」


「ああ、知ってしまった。これは責任をとらねばいけまい。」


「「ずっと一緒に居ないといけないな。」」


「はぁ?何でそうなるんですか?」


責任取ってずっと一緒にいる必要ある?魔法の契約をすれば良いだけじゃん?


「いや、王女という立場が無くなる可能性もあるんですよ?」


「愛の為に立場を捨てなければいけない!」

「なんてロマンチックなんでしょう?!」


あかん。こりゃダメだ。自分で自分の首を絞めたもんかもしれん。もしかしてラムザの野郎はこれを分かっていて進めやがったんじゃないか?


≪被害妄想です。ただ、数%は可能性を考えていたと思われますが、多分ここまで思われているとは考えていなかったのでは無いでしょうか?≫


予想よりも思われているっていうか、この二人が恋愛脳に侵されているというだけかもしれない。妄想癖でもあるんかな?


「ふふふ。魅惑の響き。」

「ははは。愛の宿命。」


そうだと思う。


≪いえ。それはマスターの所為であります。マスターがあの二人を愛称呼びした事で、それまで理性で止めていた願望が覚醒してしまったようです。それに、夢見る乙女である以上、女生徒はそういう面があります。≫


ええ?私の所為だって?!皆はどう思う?

・・・すまない。取り乱した。私はいったい何処に向かっているのだろうか?

兎に角、この場がカオス化してきているので、父上と母上を呼び平常へと戻そう。そう思い。部屋を出た。



◇◇◇◆◇◇◇



「では、ザバるんは【神の使徒】として何かをする事を申し付かっている訳ではないんですね?」


「そうです。あくまでも自分の思う良識に従って動けばよいと言われています。」


「ふむ。逆に難しい事だね。クリア条件が無いのだから。」


確かにエリザネス王女の言う通りだ。何を成すのか?は私次第であり決められた事をする訳では無いのだから。


「それに、力の開放にも制限が無いという事はこの世界を壊す事も出来てしまうという恐ろしい面もあるんですね?」


「そういう事です。理性と倫理感に自制が必要です。」


「それだけでも、かなり厳しい様にも思えますね。」


マリリン王女の言う通り厳しい条件でもある。最大の敵は自分自身であると言えるのだから。

少し話は脱線するけど、私はゴルフが苦手だった。下手くそと言える。そんな私に自分に打ち勝つ事が出来るのか?


≪それは飛躍した考え方です。≫


良かった。ツッコミ貰えた。ふぅ~。


「ですが、有益な力である事には変わりないでしょう。ですが、それにばかり頼らず、私はこの世界での生活を楽しみたいと考えています。ですからなるべく今のパワーバランスは保ちたいのです。その為転移ゲートの様な物を統制しておきたいと考えています。」


「確かにあれだけ有用な物は俗物によって汚されたら堪ったものでは無いな。」


「そうね。出来るだけ理性的に運用できる者が統制するべきかもしれないわね。」


良かった。理解して貰えたようだ。とはいえ私はフル活用する気でいるからズルいと言われるのでは?と思っていたが。


「ですが、人はその存在を知ってしまうと活用したくなる物です。ですからお二人に対して躊躇ったのですが、私の友が時間の迫った依頼をしてきて私個人の意見でロスする訳にはいかず、お二人を巻き込んでしまいました。その点については、本当に申し訳ありません。私のワガママであると自覚しております。」


「ふふふ。そんな事を気にしていたの?」


「私達が勝手に着いて来てしまっただけで、ザバるんに何一つ謝罪を受ける謂れはないよ。」


優しいお姉さんといった感じの反応を見せる二人の王女。


「でもそうだな。そんな風に思って貰えるなら一つだけ私にもそしてマリちゃんにも約束して欲しい事がある。」


エリザネス王女はマリリン王女に目を向け合図するとマリリン王女はエリザネス王女の考えが分かっているのか頷き声を合わせる。


「「私達が窮地にある時、必ず助けてね。」」


夢見る乙女は自分の騎士を探していたようだ。騎士は英雄になる。












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