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111 要塞設営 その6



「ここにはシャワー室を用意するつもりだから、上下水道は必ず、ここまで引っ張る必要がある。だからここの障害物はどけるしかないよ。」


「わかりました。では障害物をどけて繋げれるように整備致します。」


「そうしてくれ。」


「ザバルティ様。要塞北部の場所の山にモンスターが沢山出ているようです。」


「じゃあ、それは冒険者ギルドに連絡して討伐依頼をかけて。それと並行して王都のシェリルさんにも連絡しておいて。冒険者の派遣やら色々忙しくなるだろうから。後ユカに独自の討伐隊を編成させて。」


「わかりました。」


私の周りには現代日本の建設現場で出るような問題が沢山起こる。その中でもモンスターの行動は予測がつかないのだが、地域住民のの皆さんも神出鬼没であったから、まぁ同じ様な物と考えて対処している。ただし、説得という形では無く武力による鎮圧がメインだけどね。


「ザバるんそろそろ昼にしませんか?」

「ザバるん私達と食事にしよう。」


一緒に来ている王女二人からの誘いが入ったこの時点で確かに昼食の時間だ。


「そうですね。皆!緊急の事をやっている者、防衛についている者以外は休憩にしよう!」


大声で叫び拡声器を使って全体に通達する。現在は要塞の外枠の基礎工事中だ。基本的に魔法を使いやるのだが規模の大きさが屋敷とは桁違いの為、結構大変だ。それに街中と違いモンスターが出るので防衛しながらの設営の為時間もかかる。力を温存しながらだとこうなるのだ。


「ザバるんは本当に忙しいんですね?」


「ええ。色々とやる事があるので。ある程度進むと私でなくても対応出来るんですけどね。」


「闘っている時とはだいぶ感じが違うものね。」


「そうかもしれませんね。」


「でも、この設計をしたのはザバるんなんでしょう?」


「私だけではありませんよ。セシリアにも助けてもらいましたから。」


「いいえ。私など役に立ってはおりません。全てザバルティ様が書かれた設計図です。」


謙遜を見せるセシリアと不思議そうに質問してくる王女二人と食堂に向かっている。ここは労働者が居る現場であるから、士気の面からも基本は食堂で取る事にしている。集中してこの現場に居れる間は多くないので、やれるだけの事は今してしまいたい。


「ところで、マリちゃんとエリちゃんはいつまでここに居るつもり?」


「ザバるんが居る間はずっとですよ?」


「私も、ザバるんのここでの仕事が終わるのを待って、ザバるんを祖国に招待する予定にしているよ?」


如何にもわかりません?何言ってるんですか?ってな顔を向けてくる二人。


「いやいや、二人とも公務があるでしょう?」


「私は父上から、公務の免除を許可してもらっていますよ?」


「私も同じような物だ。父上から是非、将来の婿の顔を見たいと言われているよ?」


何?この自由な王族は?自由過ぎない?


≪それは、どちらともマスターを手に入れたい国の思惑が強いので自由を許されているようです。≫


私は道具か?まぁとりあえずそれは置いといて、問題がある。どうやって向こうの現場に行ける様にするかって事だ。こうやって王女二人が居ると中々にややこしい。こちらに不在である事がバレる恐れが出てしまうという事だ。だからと言って理由をなんだかんだつけて会わないという事も出来ない。しかし秘密を打ち明けるわけにもいかない。う~ん。


「今日のお昼は何でしょうか?」


「一流の料理人がいる建設現場もそうそう無いわよね。」


「ここが大切な要塞になる現場だからですよ。ここに協力できると、この要塞内に店を持てるんです。開店資金がかなり浮くから、若い腕の良い料理人が集まっているんですよ。」


そうこの要塞は要塞都市となる予定なのだ。兵数10万をゆっくりと住まわす事が出来る物にするつもりであり、その為には街の機能も必要になってくるのだ。ただ、この要塞都市のトップは軍部という所が違う点だ。


「それに、このような王都や主要都市から離れた所に要塞を造るんですから、食事位はまともな物を食べさせてあげないとストレスでやられてしまいますよ。」


「「ストレス?」」


「ああ、ストレスとは鬱憤が貯まった状態です。昔から食欲は三大欲求って言われていますしね。」


「「ふうん。」」


あれ?三大欲求も知らない感じかな?


≪知らないと思われますが欲求は分かりますので大丈夫でしょう。≫


カミコちゃん入りました!


「兎に角、せめて食事だけでも満足して貰って働いてもらう方が良い仕事が出来るって事だよ。」


「なるほど。」


「さぁさぁ、早く中に入って食事にしよう。」


「それもそうね。今日は何だろう?お肉かな?お魚かな?」


「昨日はお肉がメインだったから、今日はお魚じゃない?」


「私もそう思う。基本的にローテーションの様だし。もしかすると麺類かもしれないね?」


そう言って皆を中に入れる。もちろん王女達の護衛も一緒だ。

さて、王女達に対しての秘密をどのように扱うべきか本当に悩むな。一人で考えても良い案は出てこないかもしれないな。





すいません。予約日時を間違えていたようです。次の話は明日4/21の0時です。宜しくお願い致します。

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