11 準備 その1
私には三人の従者が既に決定しており、一緒に王都の学院に行く事になっている。
何故、子爵家レベルの家系で従者が居るかって?それは我がマカロッサ家はアスワン国の建国に関わる古い家系であるからである。フリーア王国より割譲されたアスワン国。簡単な割譲なんてないのはどんな歴史もかわらないようで、この時も同じく大変だったらしい。その時に活躍したのがマカロッサ家だったようだ。マカロッサ家の初代はフリーア国の公爵家の次男だったようだ。つまり、アスワン王国の王族の縁者でもあるわけだ。しかし、初代は有能過ぎた為、平和的に解決した後に危険視されてしまうと考え、アスワン王国の一つの子爵家に収まる事で、恭順の意を示しつつ外戚として王族に協力してきたわけである。まぁ、これだけ年数と代が経っているので、今でこそ知っている者も少なくなっているようだ。
ここまでの歴史ある貴族であり、領地が栄えているので金がある貴族であるから、必然と次代の後継者には警護が必要となる。って建前があるから私にも就けられた。
「ザバルティ様。学院のテスト対策はできていますか?」
「出来てるよ?ロバートは出来てる?後7、アリソンは怪しいな。トーマスは余裕だろ?」
「ちょっと、ザバルティ様酷くない?あちしはしなくても平気よ?この美貌が・・・」
「アリソンはほっておいて私とロバートが作った模試を後で皆でやりましょう。」
「はぁ?なんで、こんな美女を無視するかな?」
いや、お前は大丈夫なんだろその美貌とやらで・・・。確かに綺麗な顔をしているが、それとテストは関係ないだろうに。日本でいう所のギャルって感じ。間違いなくお転婆です。昔は静かな女の子だったはずなんだけどね?いつからこんなになったんだろうか?今にも飛び膝蹴りを私を含めた男三人に浴びせそうな感じだ。これを素直に受けると首がやられる。
「アリソンの美貌は皆は分かっているさ。だが、私達は上級クラスに入る為にも時間が惜しい。アリソンも一緒にやろう。」
「ザバルティ様がそこまでいうなら仕方がないから一緒に勉強してあげるぅ。」
「ふん。ザバルティ様にタメゴで話をするとは、斬首されたいのか?ふぎゃぁ!」
あ~あ、折角無難に収めようとしてんのに、ロバートがいらん事いうから、【飛び膝蹴り】くらってるよ。アリソンって、本当に魔術師の家系なんかな?魔術スキルも高いけど、体術スキルが高いんだよね。じゃないと、あんなに綺麗な【飛び膝蹴り】決まらないよね。ロバートも騎士だから体術得意だし、素質も高いから、避けれるはずだもんね。アリソンはある意味万能だよ。知識系が得意ではないが・・・。あっ、ロバート立ちあがった。顔が真っ赤だ。これはいつもみたいにバトル突入だな。
「騎士の頭を蹴るとは・・・アリソン!今日こそ決着をつけてやる!」
やる気満々だよ。これどうする?ってトーマスに視線を送る。
「さて、ザバルティ様。馬鹿な二人はほっといてあちらへ行って勉強しましょう。」
「そうだね。ほっとこう。」
てな感じでマカロッサ家の試練が終わった後は従者の三人と一緒に王都へ向かう準備をしている。
3人はすでに従者扱いなので、マカロッサ家から給金をもらう立場だ。給金とは別に3人にはそれぞれに合う武器・防具を用意する事になっている。勿論、白色で統一するし、マカロッサ家の家紋入り。
そして私がエンチャントをかけるつもりだ。テストは実技もあるから、実技訓練も欠かしていない。
基本的に午前中に筆記の過去問やら、模試を時間一杯やる。午後は武術と魔術の実技をする。という感じ。筆記はトーマスが得意としているが武術・魔術は他の二人に劣る。劣ると言っても弱い訳じゃない。三回やれば一回勝つ感じ。アリソンは筆記はからきしダメだが、実技は断トツ。武術も魔術も。ロバートは筆記そこそこで武術はアリソンとタメを張れるが、魔術はからっきし。
えっ俺?全て全勝です。すいません。普通じゃなくて・・・。
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ザバルティ・マカロッサ(15歳)
男・人族
貴族(神の使徒・神の寵愛を受けし者)
武術系 オールS
魔術系 オールS
知識系 オールS
知能系 オールS
マカロッサ家28代目(予定)。マカロッサ家27代目アルカティ・マカロッサの嫡男。
ロバート・セルフラン(15歳)
男・人族
騎士(ザバルティの従者)
武術系 平均A
魔術系 平均C
知識系 平均C
知能系 平均C
マカロッサ家の騎士団長セルフラン家の長男。
アリソン・フォラン(15歳)
女・人族
魔術師(ザバルティの従者)
武術系 平均B(特記:体術S)
魔術系 平均A
知識系 平均D
知能系 平均C
マカロッサ家の魔術師団長フォラン家の次女。
トーマス・シュゲルツ(15歳)
男・人族
参謀(ザバルティの従者)
武術系 平均B
魔術系 平均B
知識系 平均A
知能系 平均A
マカロッサ家の血縁関係シュゲルツ家の三男。




