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106 要塞設営 その1



今、私は要塞建設現場に来ている。今回も前回と同じ陣容できているのであるが、それにマリリン第三王女とエリザネス第一王女も一緒に来ている為に護衛の数が半端ない位に増えている。


「はぁ。何でこうなるかね?」


「仕方がない事ですわ。ザバルティ様を知ってしまっては。」


「そうか?私なんかを知っても15歳のガキでしかないんだけどな。」


「ふふふ。ザバルティ様がそう思っていても、周りはそうは思っていないという事ですわよ。」


「あの二人でも大変なのに、これでミーリアが居たらと思うと・・・イヤ何でもない。」


「ふふふ。内緒にしておきますよ。」


今回も一緒に来てくれているシーリスが慰める様に言ってくれるが、本当にそんな風に自分の評価が高く見られているとは思えないんだが、まぁ、武威は示してしまったからある程度は覚悟していたが、たかだか15歳の小僧に過分な評価を頂いている気がするのは気のせいだろうか?


「まぁ、あまりザバルティ様は気にせず、今まで通り動かれたら良いと思いますよ?周りが出来る事は周りが致しますので。」


「うん。ありがとう。」


優しい言葉をもらい素直に感謝した。これから毎日あの二人が一緒だと思うと何か疲れる。今は女性の相手をするぐらいなら、建設や武技や魔法に時間を使いたいと思ってしまう。せめて在学中はある程度距離を置きたいもんだ。


≪そう、上手くいきますかね?厳しいと思いますよ?≫


カミコちゃんの言葉で現実的に二つの国の王女と婚約してしまった事を思い出し、ゲンナリしてしまう。決して草食系男子では無く肉食系男子ではあると思うが、今はそっちよりしたい事があるのは事実だ。


「上手くいかないもんだね。」


「そうですか?上手くいっている方では無いですか?」


「そう?何でそう思うんだい?」


「だって、普通に考えてあれだけの規格外の動きをしても誰もザバルティ様を排除しない。いや排除出来ない様になっていますし、あれだけの規格外な戦力を見せても尊敬はしていても畏怖する者が出ていません。勿論やっかみや妬みなどを持つ者は居るでしょうが、表立っての行動は出来ないでしょう。自力が際立つ戦力を目の当たりにする機会を与えれら、二国の王女との婚約により権力も大きくなってきており、出自もマカロッサ家というこのアスワン王国では子爵家ながら強大な後ろ盾があるからこそ、王女の婚約も認められるのです。このように恵まれている状況はそうそう無いのではないでしょうか?そのどれが欠けても上手くいかないのでは?一つ気に入らないとすれば、ザバルティ様の役にあのメス豚共が役に立っている事でしょうか?」


「確かにそうだな。かなり前向きな意見ではあるが、確かにそうだ。ミーリアありがとう。」


あれ?ミーリア?あれ?


「どうかなさいましたか?」


「いや、何でミーリアが居るの?」


「えっ?ザバルティ様の一のメイドがザバルティ様の初仕事の現場に居ないなんてお天道様が許してもマカロッサ家では許されません!」


「いやいや、留守番のはずでしょう?」


「アルカティ様がどうしても行けとおっしゃられるので来ました。それがマカロッサ家だからと・・・。」


最後の方はゴニョゴニョと口ごもりながらも言うミーリア。隣のシーリスが驚愕の顔をしている。情報が逐一入るはずのシーリスの情報網をかいくぐり、カミコちゃんのセンサーをかいくぐりこの場に居るのは驚愕せずにはいられない!


≪いえ、私は気づいておりましたが、ミーリアに頼まれて表示しませんでした。≫


でたよ。裏切者が。はぁ~。もう一つ気を張らなければいけない事が出来た。


「仕方がないか、来てしまったものは。だけどねミーリア、あの二人の王女様を変な呼び方してはいけないよ。それにちゃんとした対応をしてくれる?じゃないと、いくらミーリアでも帰ってもらうよ?」


「うっ。出来る限りの事は致します。偶に本音が出てしまうかもしれませんが・・・。」


「そんなんじゃ駄目だよ。確りとした意思を持って臨んでくれないと安心できないよ。」


「わ、わかりました。この道中はザバルティ様のおっしゃる通りに忠実にザバルティ様のお客様としてあの二人のメ、王女様に応対致します。」


ちょっと危なく言葉が出る所であったが、何とか飲み込んだミーリアを見て諦めた。彼女は彼女なりに考えての行動だと思う事にし、許すことにした。


「わかった。一緒に来る事を許可しよう。」


「ありがとうございます。」


深々と頭を下げとても嬉しそうな顔をするミーリアを見て仕方が無いか。と思わない男は居ないんじゃないかな?と思う。女でも同じ様に思うのではないだろうか?


「ザバルティ様。この馬車に並走してきた馬が居ります。何でもラムザ殿の使者だとか。」


急に前の方から入ってきたユカは、早々にそう告げた後、ミーリアを見て驚愕の顔になる。


「うん?ラムザさん?分かった。カンガリ大将に悪いから次の休憩予定地まで一緒について来て欲しいと伝えてくれる?」


「は、はい。わかりました。」


ミーリアを見ていたユカはそう答えて私の顔を見て部屋を出て馬車へ戻った。

そう、今私の居る空間は礼の馬車の亜空間の部屋なのだ。



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