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105 精霊使いは指示を出す



ラムザは急ピッチでヨコダテにシャルマン商会の建設を進めた。そして、各地より選りすぐりの冒険者となっているクラウン【シャルマン】のヨコダテ支部を開設し建物を買い取りクラウンの支部の稼働を開始した。またこの街に居るハーフの奴隷も全て買い取り従業員として教育担当をつけて教育を始める。

毎日の様に各地からこの地ヨコダテにハーフの商人やハーフの冒険者が来るようになり、賑わいも今まで以上になってきている。たった一週間でこのありさまであるから、どれだけシャルンマン商会やクラウン【シャルマン】が力を持っているかが、うかがい知れるものだろう。


「ラムザ様からの招聘を受け、エスパニ、ドーパム、リスター、グインデスの四名到着しました。」


「すまない。よく来てくれた。」


「いえ、全てはアイゼンの為でしょう。私達も協力できる事を嬉しく思います。」


「そうか。ありがとう。」


四人は揃って、ラムザに頭を下げる。続いて入ってきたのは商人風の者達だ。


「ラムザさん。久し振りね。」


「よく来てくれた。プリメラ。そっちに居るのが商会のメインメンバーかな?」


「そうよ。左から、シメリス、リアント、ピオレス、ヒタイン、ゲンバン、ドコイン、オクトパです。」


「うむ。皆よく来てくれた。」


「ありがたきお言葉。我らは会長にお会い出来て光栄でございます。」


「ははは。俺は飾りなだけだ。傍に居るプリメラが凄いのだ。」


7人の代表としてシメリスが発言しそれに苦笑してラムザが答える感じだ。紹介された7人は緊張した面持ちではあるが、堂々とした振る舞いが自信を表現しているかのようだ。


「私達もお忘れなく。」


「忘れて等いないよ。サファーにキャリーもよく来てくれた。相変わらず二人とも美しいな。」


「忘れられていないなら、良いですわ。」


少し顔を赤くするサフィーにキャリー。全員が揃い席に座ると、ラムザは話を進める。


「さぁ、ここに集まってもらったのは他でもない。重要な話が有る。」


真剣な顔をして一同を見渡しながら話すラムザに一同は緊張を隠さずラムザに注目する。


「この街を、いや、この国を発展させたい。」


「街ではなく国をですか?」


「ああ。この街を都市国家として独立させるつもりだ。」


この話をしっているメンバーを除いて皆が驚愕の顔を見せる。


「【独立都市国家構想】とでも言おうかな?その為に他国に認めさせてエンデから独立させるのだ。」


「アイゼンはそれで良いのか?」


「良い。私はその案に乗ったのから、ここに居る。」


リスターの質問にアイゼンは即答する。


「あくまで、これは第一段階だ。何故なら国として立てば内乱では無くなる。つまり他国の援助を受けやすくなる利点がある今のアイゼンの立場はあくまで反乱軍だ。それを公式な立場に引き上げる事を先にする。それを完遂出来て、次の段階に進める。次の段階は、エンデ国内の貴族の恭順を求める。そしてその先には統一が待っている。」


「なるほど。独立国家になれば、我々は堂々と援助が出来るという事ですね。」


「そういう事だ。」


商人達は一斉に頷き理解を示す。そして理由を聞いて冒険者達も理解し頷く。


「これは現在のアイゼンの立場を考慮した計画だ。今のアイゼンには味方の多くは外の国に居る。だからそれを使わない手はないだろう?で、その為に・・・。」


「皆迄言わなくとも理解しました。私達商会の者は早速持ち場に戻り、その国の代表にこの街を都市国家として認めさせれば良いのですね?」


「そうだ。」


「では私達冒険者は国として一定の形が出来るまでこの国に滞在し戦争に加担するという事ですね。」


「そうだ。」


「で、私達は情報を集める事と混乱をエンデに起こせば良いのですね。つまりは時間稼ぎ。」


「そうだ。その為にミネアには早速動いてもらっている。」


≪ふふふ。皆優秀な者達のようだ。これならわざわざ集める必要はなかったのではないか?≫


「ペレ。それは違うよ。会って話す事に意味があるんだよ。」


赤髪の精霊の発言にラムザは即答する。顔を突き合わせて話す事の重要性は、発言者の意志の強さを見せる事も含まれている。文字だけでは伝わらない、発信者の思いの強さを伝える事を見せる事が出来る手段なのだ。


「では、皆理解してくれたものとする。皆頼むぞ。」


「「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」


そこにいた全員がラムザの意志を強く感じ理解し行動に移すつもりだ。


「よし。話は以上だ。こんなに揃う事もそうそうないだろうから、今日ぐらいは皆で色々な話をしようじゃないか?宴の準備をしてくれ。」


「「「はい。」」」


とサファー、キャリー、ミネアが席を立って外へ出る。


「ラムザさん。アスワン王国へは誰か派遣した方が良いですか?あそこには、フィーリンを向かわせようと思っておりますが。」


「プリメラは流石だな。ここが第一で第二はアスワン王国だ。」


「かしこまりました。では彼女を送っておきましょう。」


「頼む。で依頼のあった品々の収集状況はどうなっている?」


「そうですね。魔石は順調にいっておりますが、その他はまだまだ時間が掛かりそうです。」


「わかった。手に入り次第、アンバーに送ってくれ。」


「かしこまりました。皆も良いわね?」


「「「「「「「はい。」」」」」」」


そこに居た7人の商人たちは皆頷いた。それを見たラムザは改めてこのプリメラの手腕の凄さを認めたのであった。

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