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104 精霊使いは独立国家を後押しする



どこも同じ様な様子を見せる港町。ここもヨコダテの街も例に漏れず賑やかな声や野太い声が行き交い。色々な文化が見え隠れする建築物が点在する。海から運ばれてくる潮風が人々に海を感じさせる。


「良い街ですね~。ラムザさん。」


「そうだな。人が活気を持っている良い街だ。まさしくアイゼンに相応しい王都になるだろう。」


「でも、本当に上手くいきますかね?独立なんて。」


「まぁ、何とかなるだろ?」


「何でそんな事が言えるんですか?」


「あははは、それはエリザには秘密だ。」


「直ぐそうやって、子ども扱いする。」


拗ねるエリザを苦笑しながらあやすラムザ。いつもの二人の光景だ。

エリザは知らないのだが、ラムザには暗部を組織化しており、ヨリモトの軍勢を混乱に陥れる策が既にあり、それをする事で時間稼ぎをして正面からの攻撃をさせず、その間に他国を巻き込み国として認めさせてしまおうという計画で動いている。暗部は勿論情報の攪乱から暗殺までこなす。ヨリトモの軍勢の中核人物数名の暗殺計画も進めており、それは確実に決行されるとラムザは信じているし、それだけの力を持った組織になっている。全世界にはラムザの暗部組織は広がっており、組織人数は5000人を超える数を誇る。その上層部がラムザの側近と呼ばれるダークエルフの四人であるサフィー、キャリー、ミネア、ソフランである。現在ソフランはアスワン王国のアンバーの港町におりアスワン国内で暗闘を繰り返している。今回エンデ魔王国にはミネアを筆頭とした暗部が既に入り込んでおりおよそ1000名程が暗躍中である。

エリザはミネアの事をただのラムザの秘書としか思っていない。美しい女性であるミネアに対して嫉妬を持つぐらいしか感じてもいない。


「ミネア。どれくらいもつ?」


「そうですね。少なくとも半年はもつでしょう。長ければ1年。」


「?」


「そうか。それだけもつのであれば、アイツに手助けをしてもらおうか?」


「アイツとは誰の事ですか?」


「??」


≪ザバルティ殿の事かな?≫


「先に言うなよ。ペレ。」


「???」


「なるほど。彼にこの街の防衛強化を頼むのですね?」


「そういう事だ。」


「????」


先ほどからの話についていく事の出来ないエリザの頭には【?】だけが浮かんでいる。


「何がもって、ザバルティさんに手伝ってもらうの?」


「エリザ。気にするな。こっちの話だ。」


「また、一人だけ蚊帳の外か。」


一人だけのけ者気分になってしまうエリザを皆が苦笑して見つめる。


「ですが、ザバルティ殿にそんな余裕があるのでしょうか?」


「夏に再会する予定を立てている。その時に頼むとするさ。何、嫌な顔をせずに助けてくれるよ。」


「ラムザ様がそうおっしゃるなら大丈夫でしょうが、時間の短縮が出来る行動手段を早く構築しなければいけませんね。」


「あぁ、それについても彼奴が考えてくれている。ミネア例の頼んでいた物は準備できそうなのか?」


「超越級の魔石を100個ですよね?たぶん大丈夫でしょう。世界中のシャルマン商会でかき集めているので。」


「そうか、手に入れた物から順にアスワン王国のアンバーへ送っておいてくれ。」


「わかりました。そういう指示を出しておきます。」


「ああ、頼む。彼奴からの依頼でそれがあれば、何とかなるみたいな事を言っていたからな。」


ザバルティとラムザの間に交わされた約束の中に今、話題に上がった物を用意する事があった。

その他にもいくつかシャルマン商店に依頼された物がある。そのどれもがこの世界で基調とされる品で高価な物ばかりであるが、今のラムザの抱える組織をもってすれば集める事が出来ない物では無かった。時間だけはかかってしまうがそれは物理的距離が関係しているので仕方がないというモノだ。


「それにしても、ザバルティ殿は不思議な方ですね。弱冠15歳でありながら武に優れ、智に優れ、魔に優れ、斬新なアイデアを次々と出される傑物です。ラムザ様を知っていなければ、神ではないのか?と思う位凄い方ですね。そういう方がラムザ様の友であられる事も不思議ですが。」


「そうかもしれないな。いずれお前達に話さなければいけない時が来るかもしれないが、今は俺を信じて彼奴に協力してくれ。そして協力してもらってくれ。」


「勿論です。私達がラムザ様が決められる事に不満などあり得ません。誠心誠意お手伝いさせて頂きますし、ザバルティ殿の事も信用致します。話をして頂けるその時を楽しみにしております。」


「ああ。すまない。」


謝罪を口にするラムザはホッとした気持ちと申し訳ないと思う気持ちとが一緒になった顔をしているが、それに反してミネア達周りの人間は特に不満を持つ様な顔をする者は居ない。


「よし。ある程度方向は決まった。ザバルティに連絡をとってくれ。この地に来て貰いたい旨を伝えてくれ。彼奴は今頃何をしでかしているのかな?」


まさか、体育祭や悪魔との戦闘に武闘会優勝。そして婚姻騒ぎの中心人物になっているとは知らないラムザである。



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