第6話カオスな朝
是非楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!!!
昨日はすごく色々な事があったな……
俺ってもしかしたらあんまり驚かない体質なのかな?
え?リアクション薄い?
ま、まぁ……個性だよ、個性!
さぁ、今日から新しい暮らしの始まりだ!
新鮮な気持ちでリビングの扉を開ける。
「おはようございま……」
「ひゃぁぁぁぁ」
誰かの叫び声が聞こえた。
そしてリビングにはカオスな空間が広がっていた。
焼けて穴が空いた床。
顔を真っ赤にさせながら涙目になって苦しんでいるシラトさん。
周りで慌てるシュリさん、ゲンタロウさん、スズさん。
「……何やってるんですか。」
するとゲンタロウさんは俺に気づいた。
「あ、あぁ、おはよう、リュウくん……」
すると、シラトさんとシュリさんが話しているのが聞こえた。
「おい、シラト、大丈夫か!死ぬな!」
「ほ、ほく、もうむりはも……(ぼ、僕、もう無理かも……)」
「シラト!すまない、私が……私があんなことをしたから……」
「ら、らいじょうぶ、ひんはいひないへ……(だ、大丈夫、心配しないで……)」
「おい、シラト!お前はこんな事で死ぬようなヤワなやつじゃないだろう!4人で世界を守ろうって決めたじゃんか!死なないでくれよ……」
シュリさんはシラトさんの事を揺さぶりながらそう言った。
「らから、らいじょうぶらって!(だから、大丈夫だって!)」
……俺は何を見せられてるんだ?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「シラトと私は今日の朝ごはんはサンドイッチだったんだ。で、私が作った『シュリ特製超激辛溶岩火山大噴火、鬼も瞬殺デスソース』をたっぷり塗ったサンドイッチをシラトは普通のサンドイッチと間違えてしまって、食べてしまったんだ。」
シュリさんがなぜシラトさんがこんなことになったのか事情を説明してくれた。
それにしても、
「ソースの名前、凄いですね……」
するとシュリさんは笑顔でこう言った。
「あぁ!私が作ったんだ!私にはちょうどいい辛さなんだけどな……あ、でも間違っても舐めるなよ?シラトみたいになるぞ?ちなみに、普通の人間が舐めると死ぬぞ!」
「またまたー、いくらなんでも『デス』ソースだからって……」
俺は冗談だと思った。
「マジだぞ。」
……シュリさんは真剣な顔だった。
「え。まじ……なんですか……」
まぁ、確かにシラトさんも苦しんでたもんな……
あと気になった事がもう1つ。
「なんで床が焼けて穴空いてるんですか?」
するとゲンタロウさんが笑いながら答えた。
「あぁ、それはね、辛いの食べた時にシラトがびっくりしちゃって、雷落としちゃったんだよ。」
スズさんも笑った。
「ほんと、皆面白いよ。」
……笑い事じゃなくないすか?
てか家の中でも雷落とすって……
あ、そっか、この人たち四神と人じゃないような人なんだったぁぁ!
「あぁー、やっと辛いの落ち着いてきたよぉ、朝から大変だった……」
シラトさんがまだ涙目になりながらそう言った。
「あはは、あ、そうだ!リュウくん、朝ご飯にフレンチトースト作ったから食べて!」
ゲンタロウさんはそう言うとフレンチトーストを持ってきてくれた。
「ありがとうございます!いただきまーす!」
すごい、ふわっとしていてちょうどいい甘さだ。
これは秒で食べれるな。
俺は数分で食べ終えた。
「ごちそうさまでした!」
すると、スズさんが真剣な顔になって皆にこう言った。
「そうだ、今日『悪の波』を感じた。森の方からね。」
するとシュリさんがこう言った。
「またか……そうか。よし、街に行く前に奴らを食い止めるぞ!」
アクノナミ?奴ら?
わからない、という表情をしていた俺にゲンタロウさんは教えてくれた。
「『外道悪魔族』が出たんだ。『悪の波』は、奴らがこの世界に現れた時にスズさんが感じる物なんだ。」
シラトさんは真剣な顔で俺にこう言ってきた。
「リュウくん、僕達四神の役目は皆で『外道悪魔族』を倒して人々を守ることなんだ。だからこれから奴らと戦いに行くよ。これはリュウくんにとって初めての戦いだね。」
そっか。
俺も四神の1人なんだ。
やらなきゃ。
大丈夫、俺には父さんがついてる。
父さん見てて。
「皆、『悪の波』はグレイスフォレストの北から感じた。行くよ!」
グレイスフォレストとはこの近くの森の事だ。
『外道悪魔族』はまだそこまで力を付けていないらしく、俺達が住んでいる
"グレイスランド"
という国にしか影響は及んでいないらしい。
今のうちに奴らを食い止めなければ、いずれ、世界はとんでもない事になってしまうのだそう。
俺に何が出来るかはわからない。
でも、守らなきゃ。この世界を。
俺は四神としての第1歩をふみだした。
ブックマークや評価を貰えてとても嬉しいです!
これからも頑張るので、よろしくお願いします!
感想もお待ちしております!
次の話もお楽しみに!