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心の痛みを抱えたまま生きる
「でも一度だけで、さくと死の痛みををさらっと消せるってあいつやっぱり便利な効率のいい生き方っていうか図賢い生き方ていうか楽な生き方してますね」
とうちが王子に言うと、
「いえあくまでも体の機能のダメージを零にしただけで心のダメージの方は全く一ミリも残ったままです。それはおそらく今でも」
知らなかった。こいつは何でもできて軽そうにみえても死ぬ程の心の痛みを抱えたまま生きていたんだ。
人は見た目で解らない。
でもあいつそんなの全く顔に出してなかったじゃん。




