笑顔の訳と涙の訳
もう無理だ。
「勝てる気がしない」
うちは絶望的ないつもの表情をした。
そんな絶望的な日々でもうちは無理矢理前に進んで来た。
この方の前で、こんなだらしない醜い顔をみられたくない。いつもこの方にいい所をみせたいと思って頑張って気をはっていたような気がした。でももう無理なのだ。
だがこのままだとうちは・・・好きな人に殺される・・・!!
「死ぬの恐いよおおおおおお!!!!!」
それよりうちは死の恐怖で好きな人の前で、
無様な顔を見られたく無い為近くに居たワトソンの胸に顔をうずめて泣いた。
うちは某有名な猫型ロボットに頼る様に、
「なんとかしてよ!!!!ヴィン!!!!!!もううちもう無理だよおお。代わりに王子と戦ってよおお!!!」
恐怖で呼び名も滅茶苦茶だったがそんな事をこだわっている余裕はなかった。
「なら僕アイ君と戦ちゃおっかなあ」
と何か楽しそうな不敵な笑いをして王子を見て言うワトソン。
「私はそれで構わないですが、それですと、主人公のカイさんの戦いにならないので、仮にヴィンネツィア君が私に勝ったとしても謎解きゲーム不成立でそれが、あなた方の望む世界に戻るとは保証できかねますが」
とそう王子が言うと、
「いいじゃんか。やろうよ。僕も謎解きゲームの参加者だかんね。ほらそういう見方をすると、参加者みんな主人公で、カイちゃんにはかなり劣るけどそれに負けないぐらい主人公だかんね。それは何とかできなくても何とかする」
とそう楽しそうに子どもの様に笑って言うワトソン。
やろうよってワトソンと王子がエロ的な意味で・・・。それに思わず涙が引っ込んでいた。というかそのワトソンの顔でコイツはサイコパスで探偵助手の癖に目立ちたがりやな負け知らずの最恐の奴だという事を王子に負けたので忘れていたが思い出したからだ。
「何で乙女が泣いたのに笑ってられるの!?このサイコパスのアホ息子!!」
とうちは思わずポカとすっかり元の調子を取り戻して殴った。
「ごめ。カイちゃん。でも何で泣いてんの?」
と聞くので、
ポカ!
と一個殴って
「コラ!息子!お前は阿保か!!!デリカシーなさすぎ!!!死ぬのが怖いから泣いてんだろうがあ。そのままだろうがよお!聞かなくても解かるだろうよお!それにある主人公が負ける気がしないってよく言ってんのにうちはその逆の勝てる気がしないというか主人公な癖して何もひねってない普通のセリフ、いや普通以下のセリフを言ってるのが情けなくて言ってんの!!」
「何で?カイちゃん当然普通に勝つから」
とさも当然という様にサラっと言ってきた。
「何で!?もうヤダ!!!訳解からない難しい問題もう無理もう訳解らないよ!!!!」
とうちはだたをこねるように思わず地団駄を踏んで言ううち。
「そんなに難しい問題かな?」
とワトソンが言うので、
「コラ!!!息子!!!アイスリーゼンベルト様に失礼だろがあ!!なんか息子の母親に悪びれていう思春期特有の悪いのが出たかあ!?」
「カイちゃん今までできてたじゃんね」
それにピタと思考が停止されて、
「あんたアイスリーゼンベルト様に負けて殺されるとしたら怖く無いの?そんな勝つか負けるか解らない戦い」
とうちが何気に聞くと、
「どっちか解らない方が面白いじゃん。それに負けてそうなったとしてもそん時はそん時だ。カイちゃん言ったじゃん。勝気がしないけど死にたくないって。それって勝気まんまじゃん。そっちのがかっこいいじゃん。それに今までここにくる為に頑張ってきたじゃんかカイちゃん」
とこいつはそう開き直って言ってきた。
そうか開き直ればいいんだ。難しい事考えずただ突き進む!!うちはそうやってやってきた!!
なんか心が楽になってきた。
「ワトソン君!!!下がれ!!!お前にはその方は荷が重すぎる!!!この方の相手はうちだけんだ!!!このホームズカイ先生のな!お前はいつも通り探偵助手に回れ!!!」
とうちは胸を張って言うと、
「はい!カイちゃんホームズ先生!」
とワトソンがそう答える。最初は嫌々こいつといたけど、今は何か。。それにさっきヴィンって思わず言った時何か凄く懐かしかったような。
うちがキっと前の王子を見た。そうだ。さっきのワトソンの言葉である事を思い出した。うちはまだ言わなきゃいけない事がある・・・!!それまでくたばる訳には行かない!!!
「アイスリーゼンベルト様ご覚悟を!うちは貴方をやってやらないといけない!」
と言うと、
今までのを静かに見ていた王子様は、
「本当にお変わりにならないようで」
と可笑しそうに子どもの様に笑った。
それを見て思わず赤くなった。王子もこんな顔するんだ。
それに思わず照れ隠しで、
「えっと・・・今なんかおかしなトコあったですかねえ?うち意外と本気だったんですけど」
とうちは顔を赤くしていたと同時に王子と普通に会話がまたできてる。楽しい。
「いえ。存じ上げてはないとお思いですが密かに私は小学生の頃、先ほどのファンでしたので」
と王子は何か懐かしそうにそう笑った。
それに思わずドキっとした・・・!!先ほどってなんだったけか・・・?気になるがそれよりあの頃のただ暗いだけで、机に突っ伏していただけのうちを異様な疎外するんじゃない他の目線で見てくれている人が居た事の感動がうわまって何も言えなくなっていた。
間違えない王子はあの時うちを助けてくれていた男の子だ。それは決定したが、後の登場人物の名前を当てないといけない・・・。でもあの時の登場人物といったら、その男の子と、担任の教師の先生と、後最期にうちら生徒に終わりだといってきて殺しにかかってきた数学の教師・・・うちはその光景を思いだして青くなった。あれ何でうち今ここに生き残っていられるんだろう?それにあの算数の教師何でうちらを殺しにかかったんだ・・・?それにあの時の担任の先生うちが唯一大好きだった先生だった。今どうしているんだろう・・・?会いたいな。いや登場人物には学校の先生はいたけど、主要の登場人物では無い・・・!!!ならこの中にあの年の大人はいない・・・!!て事は死んだ・・・!!そんな・・・!!ならこの問題は王子の名前を言ったらもう終る。
だがその死んだという事実に口を開けずに居た。
そんな・・・!!そういえば先生は、みんながあの不可解な時計で戸惑っている時にそれを何も感じてないかの様に平静を保ってただ一人静かにあの冷酷無比な算数の教師をただみていた。あれあの時計、止まっているのに動いている時計何処かでもう知っているような・・・とけい・・・・とけい・・・。
うちは虚ろな目でその事を考えていると、
「それでは仕切り直しという事で新たなる問題を御用いたしましょう」
と王子の言葉に我に返って、
「あのうち問題の答えが解ってて・・・!!!それを答えたら全てが終わるんですよね・・・!!」
とうちは慌てて言うと、
「いえ残念ながらそれをお答えいただいても謎解きゲームは終了ではないかと。ですが後でも先でもそれを通過しないと謎解きゲームは成立にはなりませんので、失礼致しました。お答えをどうぞ」
うちはごくと生唾を飲み込むと、
それを言おうと、だが言葉が出てなかった。
「カイちゃん・・・?どした・・?」
とワトソンが心配そうな困惑した様な表情をしてうちを見て言った。
何でワトソンがそんな困惑した顔をしていた顔をしていたかというとうちが泣いているその理由が解らないからだろう。
うちはそれに急いで涙を拭って、
「どうもせんわ!!!答えをすぐに言うのがおしくなっただけじゃわ!!!アイスリーゼンベルト様次の問題をお願い致します!!!」
とうちは王子に向かって言った。事実を先のばしにしたかっただけかもしれない。
「では参りましょうか」
と王子が言うと、




