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とある小さな村で


 ここは王国の外れの大きな森を切り開いてできた名も無き村。住んでいるのは数百人程度で、外との繋がりは偶にやってくる行商人と旅人だけだ。


 そんな小さな村のさらに外れの小さな小屋に、とある夫婦が住んでいた。彼らは腕の肘から先、膝下、頭を白銀の毛で覆われており、頭から伸びる獣のような耳と腰の下に生える尻尾を除けばとても整った容姿をしていた。その美しくも妖しい容姿を忌み嫌われ、元々流れ者であった彼らは村の中に住居を構えることを許されなかったのだ。


 彼らの生活は、狩猟によって得られた肉と衣食住に必要なものを村と交換することで成り立っていた。そう、交換相手は村のみであった。直接行商人や旅人の前に出ることは禁じられているため、村の外で彼らのことを知る者はいない。


 そんな夫婦の間に、あるとき子供が生まれる。それも男の子と女の子の双子だった。両親は男の子をトト、女の子をリリと名付けて大切に育てた。どちらも整った容姿をしており、将来は両親のような美形になることが窺える。


 双子は恐ろしく成長が早かった。両親はそれを心得ていたために、驚くことは無い。二歳になるころには会話もできるようになり、普通の五歳児ほどの体格とそれ以上の運動能力を有していた。


 精神も同様に早熟で、双子の性格の違いもはっきりとしてきていた。

 トトは頭がよくリリよりも物覚えが早くて、慎重で真面目な子だ。

 リリは天真爛漫で奇想天外な言動を取る何を考えているのかよく分からない子だ。


 最近は、両親の余裕があるときにネズミやウサギ、リスなどの小動物を生け捕りにしては、双子に狩りをさせる練習を行っていた。



 そんなある日のこと。いつも通り両親が狩りに出ている間、双子は家の近くを駆けまわったり落ち葉を集めてダイブしたりと遊んでいた。


 ふと、トトがリリの方を見ると、白っぽい葉っぱと茶色に染まったはっぱを半分に分けて山にしているのが見えた。

 気になったトトはリリに尋ねる。


「なにそれ?」


「リリね、カレー食べたいの」


「カレー? 何それ?」


 リリは自分で集めた山を囲むように指差して、


「こーんな色をしてて、辛いの。辛ければ辛いほどおいしーの」


「辛いのに美味しいの? あ、もしかして辛いからカレーって言うの?」


「違うの。とーい国から持って来た名前だから関係ないの」


「遠い国ってどのくらい遠いの?」


「この村の逆よりも、もっともーっと遠いの」


「じゃあ食べられないね」


 トトは少しがっかりしたように言った。


「すぱいす?があれば食べらるの」


「すぱいす?はどこにあるの?」


「つーはんで買えるの!」


 ※もちろん通販など存在しない。


「やっぱり、リリの話はよく分かんないや」


 いくら頭のいいトトでも、知らない話がポンポン出てくるリリとの会話は、なかなか続けるのが難しいのであった。

 そもそもトトの頭がいいのは、こんな感じでリリが突然脳トレを仕掛けてくる事が所以だろう。


「えー分かるでしょ。じょーしきだよ」


 ※この世界の常識ではない。


 そう言われたトトは降参だと言う様に手を上げる。

 それを見てリリはむくれるが、すぐに何かを思いついたようにニヤッと笑い、トトに飛び掛かって無防備な脇の下をくすぐる。


「ふえぁっ。アッハハハハ。や、止めてぇリリ―!」


 そんなトトの笑い声が林の中に木霊する。

 すると、その声を聞きつけた何かが物凄い速さで双子に近づいてくるが、双子は気付く様子が無い。


 近付いてきた影は双子の様子を見てほっとしたように息を吐くと、顔を鬼の形相に変えて怒鳴る。


「こら! こんなところで大声出してたら危ないでしょ」


 危ないとは半分建前だ。もう半分は村に子供の声が聞こえて不快に思われないか心配になったことがある。

 双子のしゅんとした顔を見てそのことに思い至り、表情を和らげて諭すように言う。


「危ないとき以外はあんまり大きな声を出さないでって言ったでしょ。いざというとき助けに行けなくなるから」


 リリは少し不思議そうな顔をしているが、トトははっとしたような顔をして、


「ごめんなさい、お母さん」


 と呟いた。

 双子の母親はリリの方を見ると、


「リリも。ちゃんとわかった?」


 しかし、リリは小首をかしげて、


「ヒトの声がしたら熊は寄ってこないんだよ?」


 と口答えをする。

 何故そんな聞いたことも無い知識を持っているのだろうと、双子の母親は呆れる。


「リリみたいに小さい子供の声を聞いて、怯える動物なんていませんよ」


 リリは凄く意外そうな顔をした。


「そうなの!?」


「そうだよ。だから気を付けなさい」


 リリは元気いっぱいに手を上げて、


「はーい」


 と返事をした。



 その後しばらく話をした後、双子の母は「もう少し待っててね」と言い残すと、来た時とは違って歩いて森の中に戻って行った。

 双子はそれを「いってらっしゃい」と言って見送り、母の姿が見えなくなるまで手を振った。


 リリは振っていた手を下ろして言った。


「怒られちゃったの」


「もう、リリがあんなことするから」


 トトはその言葉とは裏腹に、怒ってはいないようだった。



書き終わってギャグ成分が足りない気がした。


一応ギャグ+シリアスって感じに書いていきたいと思ってる

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