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クラス転移された最弱勇者の異世界英雄譚  作者: 長田英治
~第一章~呪われし王女
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プロローグ~とある一室にて~

とある国、とある建造物の一室に『王』『宰相』『騎士』『魔導師』四人が揃い、床に描かれているものを見つめ、険しい顔をしていた。

しかし、その顔の奥にあるのは苛立ちなどの感情ではなく、今からすることへの後ろめたさのようなものであった。

まるで、悪さなどしたことがないない子供が、悪戯をすることを躊躇うかのような、または友人を、家族を騙すことを躊躇するかのように。

『王』は、その感情を抑えるかとができなくなったのか、息を吸い込み、口を開いた。


「本当に、これで良いのだろうか・・・」


『王』の言葉だけが、静寂を支配していた空間に響き渡る。


「仕方がないではありませんか。これが最後の希望なのですから」


『宰相』が『王』に言葉を返す。

『宰相』も、まだ躊躇いの感情を捨てきることはできていないようであったが、多少の覚悟はしているようだった。


「この国を救うためとはいえ、関係の無い者達を勝手に喚び出し、あろうことか、戦場に立たせようとするとは。私は王失格だな」


そう言って自虐的な笑みを浮かべる『王』に、『騎士』がそれを否定する。


「何を仰いますか!あなたほど国民に好かれている王はそうそういません!!」


『騎士』の言葉に『宰相』もそれに便乗する。


「ええ、陛下は多くの者達に好かれております。それはあなたが国民のことを第一に考えておられるからです。だからこの国のためにも、そしてこの世界のためにも、ご決断ください」


家臣達にこれほどの信頼を置いていることから、『王』がどれほどの人格者であるかが分かる。

『宰相』が『王』に決断を迫っていると、これまでずっと会話に入ってこなかった『魔導師』が口を挟んだ。


「陛下、お気持ちは分かりますが、もう今日しか『これ』を発動させることができません」


そう言って『魔導師』は、床に描かれた魔方陣に目をむける。


「『これ』を発動させるにしても、中止するにしても、悩んでいては何も始まりません。早くご決断を」


『魔導師』は、『宰相』と同じように決断を迫らせる。

二人の言葉を聞き、『王』は、確かにそうかもしれない、と思った。後悔をするのは後からでも良いかもしない。今は国民達のことを考えよう。なら、今取るべき選択肢は─────


『王』は覚悟を決める。

その顔を見た家臣達は、『王』の言葉を待つ。



王の取った選択肢は─────



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