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九十六話 お題:素通り 縛り:オイタナジー、カリエス、毛

 知人の男性の話である。彼は結核から脊柱カリエスになり、現在病院で寝たきりの生活を送っている。

「生きていられるだけでもありがたいんだろうけど、身寄りもないし、いっそ楽になりたいって思っちゃうよ。でもオイタナジーなんてスイスぐらいしかやってないだろう」

 そんな彼だが、ある時、病室で奇妙なものを見たという。

「人の形をしてるのはわかるんだけど、全体がぼやけててはっきり見えないんだ。俺はまだ目はちゃんとしてるからね。明らかに不自然だったよ」

 その奇妙なものは、彼と同室の患者のベッドを回っては、患者の髪の毛をぶちぶちと引き抜いていったそうだ。

「結局俺以外は全員やられてたね。それでそいつに毛を抜かれた人達は皆すぐに死んじゃってさぁ。なんで俺もやってくれなかったんだって思ったけど、よく考えたら俺ハゲだからさ。毛がないと無理なら仕方ないよなぁ」

 そう言って彼は自分の頭を残念そうに撫でた。

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