表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/302

九十五話 お題:扱き下ろす 縛り:サボテン、占い、胎盤

 知り合いの女性の話である。彼女はいわゆるクレーマーで、特に有料の占いに対して文句をつけるのが大好きなのだそうだ。

「こっちは高いお金払ってるんだから、文句ぐらい聞いてもらわなきゃ。どうせ占いなんて当たらないんだし」

 その日も彼女は占い師のところに出向き、好き放題に文句を言っていた。占い師は気難しそうな男性だったが、彼女の文句を黙って聞いた後、

「本当はやりたくないんですが」

 と言って一旦その場を離れ、不気味な形のサボテンと包丁を持って戻ってくると、サボテンの皮を剥いて食べ、また占いを始めた。男性は一言、

「人間の胎盤を食べれば授かりますよ」

 と彼女に言った。

「もうびっくりしちゃって。だって私その占い師の人に不妊治療してること言ってないんだもの」

 占ってもらった後彼女は藁にもすがる思いで中国まで行き、そこで人間の胎盤料理を食べてきたという。

「そしたら本当に子供ができてね。もうあの人には一生頭上がらないから、文句は別の占い師のところで言うことにしたの」

 それでも文句は言うのか、と心の中で思ったが、何を言っても無駄そうなので黙っておくことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ