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九十三話 お題:接点 縛り:ゴール、フローチャート、死斑、しぶく

 推理小説の同好会でできた友人の話である。彼には人を殺害することをゴールに設定し、かつその過程をこと細かに書いたフローチャートを作るという奇妙な趣味があるのだが、ある時自分が書いたフローチャートを勝手に使われたのだそうだ。

「その日は確か朝からしぶく日だったなぁ。いきなり家に警察が来てさ。なんですかって聞いたら、殺人事件の犯人があなたが共犯だって自供したとか言われて、ほんとびっくりしたよ」

 犯人の証言は、彼に殺人のフローチャートを見せてもらって盛り上がり、これの通りに人を殺してみようと二人で犯行に及んだ、というものだった。もちろん彼には全く覚えがなかった。

「友達にだって見せないよ、あんなもの。それなのに共犯扱いされて散々取り調べされて、途中嘘の自白しようかって本気で思ったよ」

 幸い死体の死斑から死亡推定時刻が割り出され、その間の彼のアリバイが証明されたことと、犯人の証言に様々な矛盾が見つかったことから彼の容疑は晴れた。

「色々しんどかったよ、本当に。殺人犯が家に忍び込んで俺のフローチャート覗き見してたってのもショックだったしね。それにしてもあの犯人センスないんだよなぁ、よりにもよって一番つまらないやつを使ったんだぜ?」

 彼は今も、より独創的な殺人計画のフローチャートを考えているという。

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