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八話 お題:セーフティーネット 縛り:木部、カットバック、職責、診察、見ず転

 曾祖母の住んでいた町にはいよいよ暮らしていけなくなった時にするおまじないがあって、結構な数の人がそれに頼っていたそうだ。やり方はサンザシの木部で作った小さな杭を燃やして、その灰を頭にかけて三日間風呂に入らない、というもので、そうするとどこからともなく全身を紙子と呼ばれる紙でできた服で覆った、巨大な紙人形のような人が現れ、お金や食べ物、時には薬までくれたそうだ。ただそのおまじないには弊害があって、時折映画のカットバックのように視点が別の人のものに切り替わってしまうらしい。どんな優れた医者が診察しても仕組みは全くわからず、人体の不思議を解き明かすのは医者の職責であるにも関わらず、ここまで手も足も出ないとは全く情けないと泣き出す医者までいたそうだ。

「本当にあれは色んな人がやってたよ、托鉢をしてるお坊さんから乞食から店を追い出された見ず転までねえ」

 ひいばあちゃんはやらなかったの、と私が聞くと、

「やらないよぉ、お前、助けてくれる見返りがわからんもんを絶対に信用しちゃああかんよ」

 曾祖母の言葉に、私はなるほどなぁ、と納得した。

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