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六十三話 お題:ムツゴロウ 縛り:固執

 知り合いにどうしようもない男がいる。彼は動物を殺すのが趣味で、特に天然記念物や絶滅危惧種といった珍しい動物を殺すのが大好きなのだそうだ。

「中々見つからない動物を見つけて殺した時のやった! って感覚がたまらないんだよね」

 正直なところ知り合いでいたくなどないし、何度も縁を切ろうとしたのだが、気がつくと居所をつきとめられ何もなかったかのように接してくるため敵意を向けられるよりは、と最低限のつきあいを続けている。そんな彼だが、最近はやけにムツゴロウを殺すことに固執している。特に理由を聞きたくもなかったのだが彼が聞いてほしそうにしていたので、仕方なく聞いてみると、

「最近俺の部屋に今まで殺した動物が集まってきて言うんだよ、お前はムツゴロウを殺せない、殺したくって殺せないぞ、ざまぁみろって。幽霊なのか幻覚なのか知らないけどさ、殺したやつらに馬鹿にされるって最悪じゃん。まだ殺したこともなかったしいい機会だと思ってムツゴロウを殺しに行こうとしたんだよ、そしたら」

 そもそも殺しに行くことができないのだという。ムツゴロウの生息地に行こうとする度に交通機関が止まったり体調を崩したりといったトラブルが続出するのだそうだ。

「まぁこんなことで負けるつもりはないよ。たとえ歩いてでも行ってやるさ。ムツゴロウを殺したら次はどの動物にしようか、悩むなぁ」

 一方で私はどうやって彼を警察に逮捕させるか真剣に悩んでいる。

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