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四十四話 お題:思い出し笑い 縛り:天秤

 職場の先輩と一緒に仕事をしていると、突然笑い出したのでどうしたんですか、と聞いてみた。すると先輩は、

「ごめんね、子供の頃のこと思い出しちゃって」

 と言いながら詳しいことを話してくれた。当時先輩の家にはインテリアとして古い天秤があった。先輩はそれがお気に入りで触ったりものの重さを量ったりして遊んでいたそうなのだが、ある時天秤がひとりでに動くことに気がついた。

「天秤の皿の片側だけにものを乗っけておくと反対側の皿がガターンッ! て下がって乗ってるものを弾き飛ばしちゃうの。結構重いものまでいけて、お母さんの携帯電話が飛んでった時はちょっと感動したよ」

 先輩はそれでますます天秤を気に入り、家の中のものを片っ端から乗せて遊んでいたそうなのだが母親に見つかってしまい、思いきり叱られた。結局その天秤は気味が悪いということで売り飛ばされてしまったそうだ。

「子供ってほんとに怖いもの知らずだよね。自分のことながら面白くって、今だったらそんな天秤あったら怖くて近づけないだろうにね」

 そう言って楽しげに笑う先輩が個人的には中々怖かったのだが、職場での立場を考えて胸にしまっておくことにした。

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