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二十八話 お題:節季 縛り:保持

 知り合いの投資家の話である。それは彼がある銘柄をこのまま保持し続けるかどうか考えていた時に起こったという。

「値が上がる材料は揃ってたんだが、どうにも動きが悪くてなぁ。かといって下がりもしない。年の瀬のことでこのまま年明けっていうのもすっきりしないから、思いきって今決めちまおうと思ってたら」

 ふとパソコンに表示された問題の株の株価チャート――株の値動きを線で表したもの、を見ると、値が大幅に下がっていた。いや大幅に下がっているどころではない。なんとチャートの線が本来表示される範囲を突き抜けて、パソコンの画面の一番下までまっすぐに伸びていた。

「ほんとに画面に一本縦線書いたような感じだったよ。まず目をこすったね。でも消えない。その後はパソコン色々いじったけどやっぱり消えない。電話で証券会社に問い合わせようかとも思ったけど、怖くなっちまってさ」

 幸いパソコンは正常に操作できたらしく、彼は問題の株を全て売却し、その日はもう休むことにしたという。

「それで朝起きて例の株がどうなってるか確認したらもう爆上げでさ、そっから年が明けても上がりっぱなしで最高値をあっさり更新しやがって」

 それから彼はしばらくの間、あんな値上がりのサイン見たことも聞いたこともねぇし、わかるわけねぇだろ、とぼやき続けていた。

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