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二百八十三話 お題:突っ撥ねる 縛り:声高、ファンタスティック

 知り合いの男性の話である。

「この間行きつけのレストランに行ったら、面白い場面に出くわしたんだよ」

 なんでも彼の近くの席に座っていた男性が、一緒に食事をしていた恋人らしい女性にプロポーズをしたのだという。

「こっそり聞き耳を立てていたんだが、会話の内容からするとプロポーズは無事成功したようで、これはめでたいと思っていたら」

 女性が男性に、ちょっと手のひらを見せて、と言ったのだそうだ。

「その女性は男性の手のひらを見た途端、こんな線が出てる人と結婚できる訳ないじゃない! と声高に叫んだんだ。その後は男性がどれだけ説得しようとしても、全部無駄だった、とか今までの時間を返して、とか文句を言うばかりで、結局女性は一人でレストランを出て行ったんだ。可愛そうに。男性はしばらく動かなかったよ」

 相手の手相で結婚するかどうか決める女に引っかかったのが運の尽きだな、と私が言うと、

「全くだ。だがプロポーズが成功して幸福の絶頂にいた男性が、たかが手相のことで振られて不幸のどん底に叩き落される様子を間近で見られたことは僕にとっては紛れもない幸運だった。実にファンタスティックな体験だったよ!」

 なお彼は占い師に手相を見てもらった際、取り繕うのが上手いだけで内側は相当ねじ曲がってますね、と言われたことがあるという。

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