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二百七十三話 お題:静養 縛り:飲み下す、ナノテク、許嫁、遺言

 実家で静養中の友人から会いたいと電話が来たので、見舞いに行ったところとんでもない話を聞かされた。

「よく来てくれたな。驚くと思うが、俺は命を狙われていたんだ」

 一体どういうことだ、と私が聞くと、

「俺には許嫁がいたんだが、その許嫁が俺の命を狙っていたんだよ。狙いは俺の父の遺産だ。父の遺言に、俺が遺産を相続するためには許嫁と結婚しなければならないと書かれていて、許嫁はそれを知った上で、結婚した後に俺を殺す計画を立てていたんだ。だから俺は先手を打った。許嫁に毒薬を飲ませたんだよ。創薬ベンチャーで働いている友人から手に入れた、最新のナノテクで作られた検出不可能な毒薬だ。俺は勝ったんだ……俺は許嫁に勝ったんだよ!」

 私が、お前サスペンス映画の観すぎじゃないか、と言った直後、ノックの音がして一人の女性が部屋に入ってきた。その女性を見て友人は悲鳴を上げた。

「なん、で……なんで、なんでだ! 確かに毒薬を飲ませたのに! 確かに毒薬を飲み下すのを確認したのに! 脈が止まったのを確認したのに! なんでお前は生きてるんだ!?」

 女性は私に微笑むと、

「彼は今、精神的に不安定な状態ですけど、こういう時こそ婚約者である私がしっかりと支えてあげなければ、と思っているんですよ。どうか彼のことを見捨てないであげてくださいね」

 そう私に言った。このままここにいたら厄介なことになると思った私は、

「あなたのような素晴らしい女性が側についていてくれるのなら彼も安心でしょう。彼は私の大切な友人です。見捨てるなんてことはありえませんよ」

 と言ってお暇した。友人は何度も行かないでくれ! と絶叫していたが、無視した。それからしばらくして、友人から結婚式の招待状が届いた。私は結婚式の豪華な食事と引き出物に思いを馳せながら、出席のところに丸をした。

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