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二百五十九話 お題:三つ重ね 縛り:なし

 近所に住むお婆さんの話である。

「うちには代々伝わる三つの鉢があるんだけど、これが不思議でねぇ」

 お婆さんはそう言って私に鉢を見せてくれた。三つ重ねらしい丸い素朴な鉢で、一体どこが不思議なんですかと聞くと、

「それがねぇ。鉢を全部ばらばらに置いたり、二つだけ重ねるのは大丈夫なのよ。でも三つ重ねちゃうと駄目なの。ちょっとやってみるわね」

 お婆さんは鉢を三つ重ねた。途端に、重ねられた鉢は下のテーブルが傷つきそうなほど激しく震え出した。

「ほら、こうなっちゃうのよ。不思議でしょう? 御祓にも行ったんだけど、別に悪さをする訳じゃないし、その割に祓うのが面倒だから持って帰ってくれ、って言われちゃってねぇ」

 私が、試しにもう一つ別の鉢を重ねてみたらどうですか、と言うと、

「……あぁ、それは試してなかったわねぇ。待っててね。ちょうどいいやつを今持ってくるから」

 お婆さんが持ってきた鉢を震え続けている三つ重ねの鉢に重ねた瞬間、お婆さんが持ってきた鉢はパーンと割れた。

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