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二百十二話 お題:追い落とす 縛り:なし

 ホストをしている友人から聞いた話である。

「俺、妹がいたんだけど自殺しちまってさ。まぁよくある話だよ。妊娠がわかった途端に彼氏に捨てられて絶望してってパターン。ただ俺は妹をそんな目に遭わされて黙ってられるほどお人好しじゃないからさ」

 彼は興信所に依頼して妹を捨てた男の居場所を突き止めると、その男の監視を始めたのだという。

「なるべく目立つ格好をして、そいつの視界に入る場所からじーっと見続けるんだよ。深夜になったらそいつの家によくも妹を殺したなって書いたビラを貼ったりして、嫌がらせも欠かさなかった。まぁ段々俺一人じゃきつくなっていったから、人を雇ってそれを一年間ぐらい続けたんだよ。そしたらそいつあっさりビルの屋上から飛び降りてさ。早く終わったのはいいけど、どうせならもっと長いこと苦しめてやりたかったな」

 私が妹さんは喜んでいると思うか、と聞くと、

「それはないな。優しいやつだったから……まず許しちゃもらえないだろう。まぁそうじゃなかったらわざわざこんなことはしないさ」

 話し終えると彼は何か偉大なことを成し遂げたかのように、満足げな笑みを浮かべた。

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