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百七十八話 お題:伊達姿 縛り:入庫、余、気迫、格闘

姉が体験した話である。

「不審者に襲われた時、飼ってる猫が助けてくれたのよ」

 それは姉が家の車庫に車を入庫し終え、家の中に入ろうとした時だったという。

「いきなり後ろから覆いかぶさってきてね。もうパニックよ。暴れたけど力じゃ全然敵わないし、あぁ、これはもう駄目だって思ったら」

 余のご主人様に何をするか、無礼者が! という気迫に満ちた声が辺りに響いた。姉が声のした方を見ると、そこには服を着て二本足で立っている飼い猫の姿があった。

「こう、絵本に出てくる王様みたいな派手な服だったんだよね。それで私の後ろにいる不審者に鳴きながら飛びかかっていったのよ」

 不審者と飼い猫の格闘はすぐに決着がついた。不審者は飼い猫の爪と牙で顔をボロボロにされ、這う這うの体で逃げていったという。飼い猫はといえば、不審者を追い払った後姉に対し堂々とした仕草で一礼すると、猫用扉からするりと家の中に入っていったそうだ。

「私もすぐ家に入ったんだけど、その時にはもう服脱いじゃってたのよ。それ以来言葉も全く話さないでぐーたらしてるし。まぁそれでもご褒美として猫缶をいいやつに変えてあげたけどね」

 姉はもし飼い猫がまた王様のような服を着て喋ることがあったら、絶対にその様子を撮影して映像をテレビ局に売りつけてやる、と息巻いている。

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