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百六十六話 お題:賑賑しい 縛り:おぞましい、連載

 友人の漫画家から聞いた話である。

「この前俺が連載してる雑誌の出版社の新年会があってさ。担当の編集と一緒に行ってきたんだよ」

 新年会は大変賑わっており、有名な漫画家が何人も出席していた。彼は他の漫画家に挨拶をしつつ新年会を楽しんでいたそうなのだが、

「いきなりどうも先生、って男の人に声かけられてさ。俺はその人の記憶が全くないんだけど、向こうは明らかにこっちを知ってる風でこりゃ俺が忘れてるパターンだなと思ったから、とりあえず適当に会話しながらなんとかその人のこと思い出そうとしてたら」

 その男性は新年会に来ている漫画家が次にどんな漫画を描くかについて、ペラペラと喋り出したのだという。

「最初は自分の妄想を言ってるだけかと思ったんだけど、聞いてるとなんかそれっぽいっていうか、いかにもあの先生なら描きそうだなっていう内容ばっかりなんだよ。まぁそれでもちょっとヤバい人だから適当なところで話終わらせようと思ったんだけど、先生の次回作の内容も知ってますよ、ここで結末まで言っちゃいますねって言ってきてさ」

 男性の語った内容は、彼が構想していた次回作の内容そのものだったという。

「まぁおぞましいとしか言いようがないよね。しかもその人話すだけ話してどっか行っちゃうし。後で新年会にこんな人来てたんだけど知らないかって編集に聞いても知らないって言うし。多分他の漫画家さんの次回作のことも本当なんじゃないかなぁ」

 この一件のために彼は今、別の漫画の構想を練っているそうなのだが、中々アイデアが煮詰まらないという。

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