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百五十九話 お題:シンビジウム 縛り:鉄面皮、花柄

 中学の時の同級生の話である。彼は去年結婚し、会うと奥さんの惚気話ばかりしてくるため非常に鬱陶しいのだが、先日、

「いやぁ、実はカミさんに包丁で刺されちまってさぁ」

 と電話で言ってきたため、どういうことだと聞いたところ、

「カミさん、第一印象はあんまりよくなかったんだよ。素っ気ないし、笑わないし。でもまぁ俺鉄面皮だからさ。気にせずちょっかい出してたら段々笑ってくれるようになって、そうするとこれが可愛いんだ。それに花が好きなところも可愛い。花の中でも特にシンビジウムが大好きでさ。服も花柄が好きなんだけど、ただの花柄じゃ物足りないって言ってわざわざシンビジウムの柄のワンピースを作っちゃうくらいなんだ」

 私が惚気てないでどうして奥さんに刺されたか説明しろ、と言うと、

「あぁ、俺が約束を破ったのがいけないんだ。カミさんの誕生日には必ずシンビジウムの花をあげる約束だったのに、あげるのを忘れててさ。約束を破った罰ですって言われて刺されたんだよ。結婚してからわかったんだけど、意外と怒りっぽいんだよなぁ」

 怒りっぽいというか、それはもう離婚するべきだろうと私は言ったのだが、

「おいおい、冗談はよしてくれ。カミさんと別れたら俺は生きていけないよ。まぁ今回カミさんに殺されかけたけど、それだって別れるよりはマシさ。カミさんのためだったら、俺はどんなことだって我慢してみせるさ」

 なお彼の入院している病院に見舞いに行ったところ、彼は奥さんにベタベタと甘えていたため、色々と馬鹿らしくなって早々に退散した。

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