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百五十五話 お題:賊軍 縛り:真打ち、パート

 合唱部でできた友人から聞いた話である。私と彼女は同じパートで、自然と話す機会も多かったのだが、ある時彼女とお互いの家族のことについて話していると、不意に彼女が、

「あぁ、そうだ、私の家族っていうかご先祖様の話なんだけど、話してもいい?」

 と聞いてきた。私がもちろんと言うと、彼女は話し始めた。なんでも彼女の先祖は幕末の頃、当時の幕府軍に属していた人で戊辰戦争の際新政府軍の兵と斬り合いになったそうなのだが、

「ご先祖様、すごく強かったらしくてね。敵の兵士をどんどん倒していったら、真打ち登場みたいな感じで敵の中からすごく強い兵士が出てきたんだって」

 彼女の先祖はその兵士と鍔迫り合いになり、このままでは押し負けて倒されるという状況になった。すると、持っていた刀が敵の刀にぬるりとめり込んだという。

「なんかお互いの刀がくっついて×みたいな形になったらしいの。で、びっくりしてる敵を脇差で斬っちゃったんだってさ」

 彼女の先祖が敵の刀と×の字にくっついていたはずの自分の刀を確認したところ、何事もなかったかのように元通りになっていたという。それ以降彼女の先祖は自分が危機に陥れば刀が護ってくれると信じて戦い抜き、ついに戊辰戦争から生還した。なお彼女の先祖は生涯自分の刀を手放さなかったが、その刀は彼女の先祖が亡くなった途端、瞬く間に刃が真っ赤に錆びて崩れてしまったそうだ。

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