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十四話 お題:早飯 縛り:老躯、尨犬

 飼っている犬がおかしい。ミズキという名前の雑種の中型犬なのだが、十五歳を超えている。人間でいえば八十歳くらいの老犬である。ある日、ミズキに餌をあげると異様なほどがっついて食べていた。それまでは老躯に鞭打って、必死に噛んで飲み込む、という風だったのに、まるでしばらく絶食でもしていたかのような異様な食べっぷりだった。どこか体に異常があるのかと思い動物病院に連れていったが、検査の結果何も異常は出なかった。ただ獣医さんから年齢が年齢なのでいつどうなるかわからない、くれぐれも注意してあげてくださいとは言われた。その次の日である。ミズキの様子を見ようと犬小屋の中を覗くと、見知らぬ犬がいた。ミズキと同じくらいの大きさで真っ白な毛並みのモコモコとした尨犬むくいぬだった。なんだこの犬は、と思ったが首のところを見るとなんとミズキの首輪をつけている。ミズキ、と名前を呼ぶと駆け寄ってくるし、ミズキに教えた芸は全てできた。家族に聞いても何も知らないどころか逆にミズキをどうしたの、と詰め寄られた。獣医さんに調べてもらったところ雑種で年齢は三歳くらいだろうとのことだった。この犬は果たしてミズキなのだろうか、それとも違うのだろうか。ただ家族はこの犬のことを大いに可愛がっている。実は私も可愛がっている。

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