表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/302

十三話 お題:乗除 縛り:不漁、インチ、尻

 奇妙な体質の知人がいる。建築家をやっている男なのだが、鰯を食べないと頭の回転が著しく鈍るのだという。どのくらい鈍くなるんだ、と聞くと掛け算割り算すら怪しくなり、更にはインチとセンチを間違えたこともあると聞いて背筋が寒くなった。

「テストの順位も鰯を食べて受けると上から数えた方が早くて、食べないで受けると尻から数えた方が早かったよ」

 でも高い魚でなくてよかった、不漁になっても大して懐が痛まないからな、と彼は続けた。そんな彼だが現在離婚の危機にある。なんでも鰯の効果は調理していなければしていないほど上がると気づき、台所で鰯をそのまま齧っているところを奥さんに見られてしまったのだそうだ。

「あれは油断したなぁ、でも俺だって別に好きでやってるわけじゃないんだ、仕方ないことなんだよ」

 アニサキスには気をつけろよ、とそれだけ言っておくことにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ