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百三十七話 お題:手羽 縛り:なし

 私の妹の話である。妹は最近、結婚相談所で紹介してもらった男性と食事に行ったらしいのだが、一回食事をしただけで二度と会いたくなくなったという。よっぽど食事のマナーがひどかったのか、と私が聞くと、

「うーん、ある意味……そうかなぁ」

 という歯切れの悪い答え方をした。もっとわかるように話せ、と私が言うと、

「それなんだけどね、食事のマナー自体は問題なかったの。でも手羽を使った料理が出てきた時に、いきなり僕には面白い特技があるんだ、って言い出して」

 その男性は手羽の肉を全て齧って骨だけにすると、その骨をしゃぶりだしたのだという。しゃぶればしゃぶるほど骨はどんどん細くなっていき、やがて全てなくなってしまったそうだ。

「それさえなければすごくいい人だったの。見た目も好みだったし、学歴もあるし、いいところに勤めてるし。それさえなければ、本当にそれさえなければ!」

 これほど悔しそうな妹の顔を見たのは初めてだった。

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