表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/302

百話 お題:宵の明星 縛り:なし

 知人の男性の話である。彼は天体観測が趣味で、わざわざ家に大型の望遠鏡を設置して、毎晩のように星を見ているのだという。

「いつかは彗星を発見したい、なんて思ってましたが、やっぱりそうそう見つかるもんじゃない。まぁただ星を眺めてるだけでも十分楽しいですけどね」

 ある日の夜、彼がいつものように星を見ていると、奇妙なことが起きた。

「私は望遠鏡を使わずに夜空を眺めるのも好きで、その時も休憩のつもりで望遠鏡を使ってなかったんですが、月の側にやけに大きな星があるなぁと思いましてね。位置からすると金星なんですが、それにしては大きすぎるんです」

 彼が不思議に思っているうちに、金星と思われるその星はすごい勢いで大きくなり、とうとう月の大きさを超えてしまった。

「本当に目を疑いましたね。自分の目がおかしいのでなければ、絶対にニュースになっているはずだと思ってテレビを確認したりもしたんですが特に何もやっていなくて。仕方ないからもう一度その星を見てみたら」

 今度は彼の見ている間にみるみる小さくなり、本来の金星の大きさになってしまったのだそうだ。

「なんとも不思議なことがあるもんだと思いましたよ。昔だったらこういうのを狐に化かされたって言うんでしょうね。驚きましたが、いい経験でした」

 その後しばらくして、彼はなんと彗星を発見したという。彗星の発見者には命名権が与えられるが、彼は彗星に自分の孫の名前をつけたそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ