9 ストーリー
更新遅れてすみませぬ。
「‘ダイブ、バルハラ’」
さて早速ステータス操作をしてみる。
「‘オープン’」
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〔所持品一覧〕←
〔パーソナルデータ〕
〔能力値・スキル〕
〔技能・EXTRAスキル〕
〔信仰・加護〕
〔パートナーモンスター〕
〔テイムモンスター〕
〔モンスター図鑑〕
〔フレンド・カンパニー〕
〔クエスト・ダンジョン〕
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意識的に下にカーソルを合わせてみた。
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〔所持品一覧〕
〔パーソナルデータ〕←
〔能力値・スキル〕
〔技能・EXTRAスキル〕
〔信仰・加護〕
〔パートナーモンスター〕
〔テイムモンスター〕
〔モンスター図鑑〕
〔フレンド・カンパニー〕
〔クエスト・ダンジョン〕
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うん、書いてあった通りだな。
まずは〔所持品一覧〕の項目を開く。
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所持品
一般
未知の蟻地獄の甲殻の欠片、スケルトンの骨、スケルトンの頭蓋
装備品
旅人のマントE、麻の服E、麻のズボンE、獣皮の靴E、アインソードE、古びた剣
魔法石
火{0}、水{0}、土{2}、風{0}、雷{0}、光{0}、闇{0}、幻{1}
イベントアイテム
クーラスの香水
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成程こうなっているのか結構便利だな。
次に〔パーソナルデータ〕を開いた。
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[NAME]ビシャ・モンテン
[RACE]ミイラ
[JOB]剣術士Lv4
[SUBJOB]なし
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ああ、この表示の仕方。
何か見たことがあると思ったが、案内人のミラが見せた証明書に似てるな。
しかし、あの証明書は色々と便利だな今度何処で貰えるか聞いてみよう。
よし、次は〔能力値・スキル〕
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能力値
HP280/280 MP70/70 STR34 DEF32 DEX32 INT12 MIN34 AGI30
スキル
【剣術】2/50
ボーナスポイント:6
変換率
HP15 MP5 STR8 DEF4 DEX5 INT1 MIN6 AGI6
HP(体力)、MP(魔力)、STR(物理攻撃力、筋力)、DEF(物理防御力、持久力)、DEX(受け流し率、命中率、生産成功率)、INT(魔法攻撃力、魔法効能力)、MIN(魔法防御力、特異魔法力)、AGI(敏捷力、加速力)
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ふ~ん、変換率の適性が剣術士には向いていなさそうだな、特にDEFが低いのがイタイな。
いっそのこと双剣使いにでもなるか?でもな~二刀流とかハッキリ言って身体能力でもセンスでもましてや『厳しい特訓により俺は二刀流を開眼した』とかそんなのでもなく長年かけて剣術・体術へ向き合う姿勢がものを言うから何がどうであっても御老公さんの剣技にかないっこないんだよな。
ステ振りをどうしようか。
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能力値
HP280/280 MP70/70 STR42 DEF32 DEX32 INT12 MIN34 AGI60
スキル
【剣術】2/50
ボーナスポイント:0
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とりあえずステ振りを終えたことだし再度BOSS戦に挑むとするか。
体をほぐしながらアインブレードを数度振り頭の中で再度馴染ませて階段を下りる。
『セーフエリアを離れました。』
さてっと今度は最低でも、必ず致命的な傷を負わせてから死ぬとするかね。
一直線しかないと分かっている道なので迷わず足に力を籠めて突っ走る。
コツ・・・・コツ・・・コツ・・
スケルトンの独特の足音が聞こえてきたことからアインブレードを抜刀する。
コツ・・コツ・コツ!
スケルトンに間髪入れずに一撃をくらわせて、後方へ大きく吹き飛ばされるスケルトンを足払いでその場で倒して胸の骨を左足で押さえつけ、斬殺する。
丁寧に丁寧に斬り繋ぐ、突きはしない、無駄はしない。
・・・・斬リコロス・・・・
『ビシャの通常攻撃。【剣術】の熟練値が24上昇』
『スケルトンに108のダメージ。致命的なダメージを負った。デス』
『モンスター狩猟報酬:スケルトンの骨』
スケルトンのHPはそこまで高く設定されていないのが救いだな。
多分、俺が倒しているものはLvが低い。
Lv3の俺でも倒せていることからそれが分かる。
だがこいつ等が集団で襲ってきたら脅威に感じざるを得ない。
それを対処できるように慣れておかなければ。
次のスケルトンへと移動する。
走る速度がステ振り前と比べて格段と速くなっている。
体感的に言うとおよそ1.2倍。
なんだその程度かと思うかもしれないが、それでもなお驚異的な疾走感であり浮遊感だ。
AGIを二倍程度にしたことに起因するんだろう。
二倍の速さで走れた場合にはどのようにして足は動くのか、動かせるのか非常に興味の沸くことだがここはスピードを全速力からペース配分をした定速に抑える。
「さて、先程のスケルトンは初めの雑魚だからいいけど進むごとに少しずつ強くなっていくんだよな、あのスケルトン。一ターンで終わらないかもしれない。」
スケルトンの独特な足音が聞こえてきてアインブレードを左腰に鈍器を持つように構える。
コツ・・コツ・コツ
スケルトンがこちら向いた瞬間に加速し剣で薙ぐ。
それに対してスケルトンは冷静な様子で妥当に剣で防ぎながらこちらの出方を窺う。
『ビシャの通常攻撃。ビシャの攻撃のガードに成功。ダメージ50%減少。【剣術】の熟練値が1上昇。』
『スケルトンに4のダメージ。HPはほぼ変わりは無し。オールグリーン』
行動パターンが前回の戦いよりも複雑になっているのはやはり確かだな。
「平均的な男が基本だけ教わったみたいな構えでしかないのは相違ないんだけどな。」
相手の姿勢を確認して一番守っている部分とそうでない部分を識別。
構えがやや高い、あらかた面を守ってるな。なら、
面を打つふりをして馬鹿みたいに空いた胴!!
極小の動作のフェイントをすると思った通り剣で面を守り、胴ががら空きとなり遠慮なく斬った。
『ビシャの通常攻撃。【剣術】の熟練値が3上昇。』
『スケルトンに9のダメージ。HPはほぼ変わりなし。グリーン』
するとスケルトンは打たれた直後にも構わず無理矢理反転して剣で攻撃してくる。
だが、甘い。
攻撃は最大の防御であると同時に技術という点に弱い。
追撃してきた剣を背を向け片手で握ったままアインブレードで受け流し、振り向いて担ぎ面さながらに右肩を叩く。
『スケルトンの攻撃。スケルトンの攻撃の受け流しに成功。ダメージ20%半減。受け流しの熟練値が2上昇。』
『ビシャに14のダメージ。HP266/280。オールグリーン』
『ビシャの通常攻撃。【剣術】の熟練値が2上昇』
『スケルトンに9のダメージ。HPはほぼ変わりなし。グリーン』
スケルトンは体勢を崩されてもまたもモンスターの異名にふさわしく骨を軋ませながら反撃する。
それをはじき返し切り返してスケルトンの鎖骨辺りを叩く。
『スケルトンの攻撃。スケルトンの攻撃のガードに成功。ダメージ30%減少。ガードの熟練値が5上昇。』
『ビシャに12のダメージ。HP254/280。グリーン』
『ビシャの通常攻撃。【剣術】の熟練値が2上昇』
『スケルトンに9のダメージ。HPはほぼ変わりなし。イエロー』
「一息で来い!!」
思わず叫んでしまうほどに杜撰で汚い剣の振り方は俺のプライドを傷つけた。
このスケルトンに最高の贈り物を見せてやる。
正眼の構え。
すぅっと一息した後、一瞬の内に相手の隙のある場所全てを切り裂く。
相手の動き全てが隙であり獲物だと言わんばかりの剣戟を繰り返した。
構えれば構えを崩して打ち込み、それに抗うとすればそれを利用して徹底的に打ち込み相手の意志すら自身の掌で泳がせ、遊ばせる。
ただただ攻撃を邪魔させない。攻撃を止めさせない。
「・・・ふぅ。」
汗が出ないことにもどかしさを感じつつも体温の上昇に感じ入る。
『ビシャの通常攻撃。【剣術】の熟練値が14上昇』
『スケルトンに63のダメージ。致命的なダメージを受けた。レッド』
スケルトンは攻撃の後によろける様に後退した。
そして、剣をもう一度構えてスケルトンが“celerlitas”を仕掛けてきた。
ノータイムで。
俺は溜め時間があると少しばかり気が緩んでしまっていて馬鹿であるが構えを半ば解いてしまい体が竦んだ。
馬鹿か俺は、と自身責めるが遅い。
どうする....態々くらうか?いやそれはない。後にはBOSS戦なのだ。
必死に頭を動かし最善手を導き出す。
あった!!
「“オートガード”!!」
自動的に体が動き出し相手の攻撃を自動で防御した。
何とも奇妙な感覚だよな、この必殺技系のスキルは。
まぁいいか
『スケルトンの必殺技“celerlitas”。ビシャの“オートガード”発動。ダメージ80%減少』
『ビシャに18のダメージ。HP238/280。グリーン』
「じゃあな。」
隙が大きくなったスケルトンに横一刀する
『ビシャの通常攻撃。【剣術】の熟練値が3上昇。』
『スケルトンに9のダメージ。デス』
『モンスター狩猟報酬:スケルトンの骨、経験値100』
よし、次だ次。
さっさとBOSS部屋まで行こうと走りぬけていく。
ここまで、スケルトンの骨が36個、古びた剣が5個、魔法石が2個手に入った。
そしてようやくと言ったところでBOSS部屋へとたどり着く。
「再戦上等。」
相手の攻撃は特に分かっていない、今日はできればそこまでは見ておきたい。勝てる所までとは言わないがだからと言って必殺技だけ見たら負けていいって言うのも違う。
だから全力で潰す。
扉を開き、BOSS部屋へと吸い込まれる。
やはりBOSS部屋と言うにはちょっと小さいな。
部屋の中央付近に前回に見た大剣があった。
今日はもうBOSSが完全に出る前に攻撃はしない、失敗は反省するのだ。
これが最後だと思うなよ、運営!!
剣から骨がドンドン生えていく様はいつ見てもシュールだな。
おお、なんかスピードが依然と比べて早くなってる学習してるな運営め。
スケルトンナイトの全貌を拝む。
何処から出てきたか全く不明な謎の金属ヘルムを被り、目には意思が感じられる強い光が灯っている。
アンバランスさを感じるアーマーはとても重厚であり、またそれがモンスターらしさを伴っていた。
大剣を引き抜きこちらへと剣を差し向けたスケルトンナイトが喋る。
『ワレ、ココノマモリテ、ノ、ヒトリ。キサマ、ヲ、ダンザイ、スル。』
そのことは甚く納得したがその前にどうしても聞きたいことが一つあった。
「一つ、いいか?」
相手はデータ上のモノである上、敵であるのだから受け答えができるかどうか分からなかったが一応聞いてみる。
無機質なスケルトンはジッとこちらを睨んできた。
『ナンダ。』
「ここ、どこだ?」
ズルッと大剣から滑るようなスケルトンナイトを想像したが、やはりNPCと言うべきか滅茶苦茶冷静だった。
泰然とした様子で淡々としゃべりだす。
『ココハ、ファラオサマ、ノ、ヤシロ。ナヲ、ピラミッドダイメイキュウ、ト、イウ』
ふ~ん、ファラ王様の社ねぇこの砂漠に昔栄えた国でもあったのだろうか、感慨深い。
それに大迷宮、か。
やっぱりダンジョンだったか。
なんで敵から教えてもらってんだろう俺は。
『デハ、マイルゾ。ジュンビハ、ヨイカ?』
「親切だな。ああ、いいぞ。」
俺なんかBOSS出る前に殺そうとしたのに。
と思っていると前方からの危険を察知して咄嗟に避ける。
ブオッ!!
半透明な衝撃波が数センチ前を通り抜ける。
『スケルトンナイトの“falx”。だがビシャには当たらなかった。。回避の熟練値が3上昇。』
『ビシャに0のダメージ。HP210/280。イエロー』
....コイツはファンタジーだな。うん、ファンタジーだ。
見えないというには語弊があるが見えにくい遠距離攻撃ができる相手よりも格段に自分が不利である。
これで間合いの選択は近距離しかなくなった。
スケルトンナイトに向かって走る。
スケルトンナイトはそれを下策と捉えて技を出してくる。
大剣を振り回し十数の半透明な刃を飛ばしてくる
『スケルトンナイトの必殺技“falx”。だがビシャには当たらなかった。回避の熟練地が14上昇』
『ビシャに0のダメージ。HP210/280。イエロー』
向かってきた幾多の刃を冷静に捉えながら走り方を切り替える。
一直線に向かっていた走り方とは違い、揺らぐような走り方をする。
向かってきた刃を直前まで受け止めたかと思えば一瞬にして違うところへと移動し避けては、フェイントをかけるような仕草の歩行法だ。
死角に入ろうとスケルトンナイトを中心にして渦上に走る。
『フトコロ、二、ハイレバ、カテルトデ、モ?』
スケルトンナイトは“falx”を止めて、大検を頭上たかくに掲げる。
『イナヅマヨ“fulmen”!!』
スケルトンナイトの周囲5メートルに稲妻が走る!!
ゴゴゴゴオオオオオ!!!
危うく当たりそうになったものの技の兆候時点で避けていたおかげで難を逃れる。
だが....
「ちっ、痺れるな。」
ビリっ、ビリ....
『スケルトンナイトの必殺技“fulmen”。直撃は免れたが帯電効果範囲内であった。回避の熟練地が1上昇』
『ビシャに0のダメージと帯電付与。HP210/280.イエロー』
だが関係ない、何としても懐へ!!
そう思って走り出して数秒後に帯電による一時行動不能が訪れる。
「なっ....!?」
そして一秒立つとすぐに動けるようになったがこれはヤバイと思い直す。
一秒という時間でどれ程の危機が回避でき得るか分かるからこそだ。
これでは咄嗟の行動はもちろん、ギリギリで避けながら突っ込むことができない。
だが、どうすれば。
そんな考えを思いつかせるほどにスケルトンナイトは優しくなかった。
アドバンテージが理解できているのだろう。動かず、“falx”を放ち続けてくる。
必死になって避ける。スケルトンナイトの刃のスピードはギリギリ対応でき範囲だ。
しかし、
ビリッ!
「ちくっしょ!!」
一時的に体の自由が利かなくなる。
向かいには見えない刃が飛んできている。一秒だ。
だがその一秒が遅い。
スローに見える。
0.12s
0.34s
0.52s
まだか、まだなのか避けれない、当たる。
0.82s
0.94s
オートガード....もできねぇ!!
ブシュッ!!!
畜生が!!
斜め一文字にくらってしまった。
『スケルトンナイトの必殺技“falx”。』
『ビシャに142のダメージ。致命的なダメージを負った。HP68/280。レッド』
帯電が終了するのを感知すると最早ダメージ覚悟で相手へと突進していた。
「うぉぉおおおおおおおお!!!」
自身の無謀さは頭では理解できた。
しかし、自身としてのプライドは理解できなかった。
一太刀もくらわすこともなく負けるなんてことはしたくなかった。
彼の足は韋駄天のように速かった。
“falx”を最小限で避けて、最速でスケルトンナイトに迫る。
せめて一太刀くらわせてやる、それが彼を突き動かしスケルトンナイトの面前にまで迫りアインブレードを振るう。
ビリ!
ただ帯電がそうさせてはくれなかった。
運がいいことにスケルトンナイトも焦っていたのか剣で自身を防いでいるせいでこちらが帯電していると分かっていない。
一秒だ。
0.11s
0.32s
0.68s
スケルトンナイトが不審に思いこちらを伺おうとする。
0.74s
ようやくこちらが無防備なのに気づき大剣を振りかぶる。
0.87s
0.97s
迫りくる大剣、だが俺は冷静でいられた。
冷静にこの場で何をすべきか分かっていたのだ。
1.0s
解放!!
「“オートガード”!!」
コンマの世界。
だが、だからこそ自動の最小速度が一番いいと感じていた。
ガギイイイインンン!!!
『スケルトンナイトの攻撃。ビシャの“オートガード”発動。ダメージ80%減少。』
『ビシャに16のダメージ。HP52/280。レッド』
好機!!
相手の大剣を体でのける。サッと息を吸い込み活を入れて迎撃する。
「私のターン、だ!!」
コロス....キリ、コロス!!!
アインブレードが二本あるような速度で切り刻んでいく姿はまさに阿修羅の権化にふさわしい。
だが、圧倒的な速度で斬るということはそれだけ体力と体に負担がかかるのだ。
ものの10秒もしないうちに息遣いが荒くなり体がガタガタになった。
「は、っは、っは、げほ!」
『ビシャの通常攻撃。【剣術】の熟練値が48上昇』
『スケルトンナイトに216のダメージ。ほぼ変わりなし。グリーン』
「く、そ....ヤロ....ォウ....」
最後にはまた同じ風景がスケルトンナイトがこちらに剣で斬りかかる風景が。
また負けるのか....
『スケルトンナイトの攻撃。』
『ビシャに81のダメージ。デス。』
『ビシャが死亡した。』
『死亡の確認により、・・・・します。条件を満たしました。・・・します。』