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防衛勇者
そこは魔族に支配された大陸だった。
成天暦526年。
シュゼルレット大陸東部に侵征魔王軍と名乗る魔族の大軍が現れた。
その武力は凄まじく、瞬く間に東方地域は
征服されてしまう。
その脅威に対抗するために、各国はこぞって魔族討伐軍を編成して挑むが悉く惨敗。
大軍による討伐を諦めた人類は、少数精鋭による勇者システムを採用。
敵中枢を討ち滅ぼす作戦に移行した。
勇者による戦果は凄まじいものがあったが、切り札である勇者を派遣した国は著しく戦力が激減し、そこをつけ込まれて国は壊滅的な打撃を受ける。
瞬く間に大陸の七割は魔族に支配され、残された人類は西方残り三割の大地に防衛戦を張り専守防衛を決め込んだ。
それから、二十数年の月日がながれた。