女神降臨!!
「来週っていつだよ?」思わず身を乗り出した俺に、「日によって調子の波があるから・・・。妹のマネージャーと相談して決めるんだ。またユリに会わせるよ。ただし、気分のいい時だけだぞ。」「わかってるって。」
圭はユリの病名を明かさなかったが、たぶん話から推測するに、うつ病ではないかと思った。今はストレスフルな時代だし、華やかに見えるモデル業界たが、ナンバーワンである限り、気をぬけば堕ちていくだけだ。まだ21歳のユリは、プレッシャーに押し潰されたのかもしれない。
その日はやってきた。幸い俺は数少ない休みの日だった。空港に迎えに行く圭に頼み込んで、一緒に同行させてもらった。ユリは女性マネージャーと一緒にやって来ると言った。なんでも、女性マネージャーは日本人で、ユリの病状を一番良く知る人物だそうだ。
韓国からの飛行機が到着した。何故か緊張しながら、ユリが現れるのを待った。しばらくしてユリと思われる人物が、小柄な年配の女性と現れた。やはりユリのオーラは、半端なかった。
ユリはセレブ風?なサングラスをし、顔の小ささ、8頭身のスタイルは圧巻だった。ただ白いシャツに、ジーンズというシンプルな格好が、かえってユリの美しさをひきたたせていた。
こちらにやって来るユリは、まさに女神降臨という言葉がぴったりだと思った。ユリは俺たちを見つけると笑顔でこちらに向かって走ってきて、兄である圭の胸に飛び込んできた。しばらく兄と雑談していたユリは、俺の方をみてこの人は誰?不思議そうに俺を見たのだった。