第7話 冒険の説明書を見つけました
ユウシヤ達は魔王を倒すためには
これからどうすればいいかを考えていた
……いや、まず村から出ようよ
「みんなの名前と能力がわかったところで
この村を散策してみよう」
「えー俺はもうずっとここにいるかなー」
「僕っちもぉ」
「私もです」
「僕はまだ来たばかり!
何も知らないよ」
「なら教えてやるよ、ここには
美味い飯屋がある」
「ステージもあるよぉ」
「魔法道具が沢山売ってるお店があります」
(出たことないからわかるよね
だけどね、だけど
そういうことが知りたいわけじゃないのよ)
「そういう事じゃなくて」
「じゃあ、どういうことだよ」
「ほら、よくあるでしょ
樽とか探したらりんがあったり
回復系のアイテムを手に入れたりとか」
説明しよう!
りんとはコインつまりお金だ!
「あ、回復系のアイテムは
私が全部とりました」
「え?」
「りんなら俺が片っ端から取ったぜ」
「てことは、この村には
もう何も無いってこと?」
「そういうことだな」
「僕っちが帰ってきた時には
もうなかったよぉ」
「ちょっと待ってね」
「どど、どうすんの?ミミカ」
「えー知らないなの」
(知らないって……あ、違うわ
ミミカも外に出てないじゃん!
終わったかもこれ)
「あの、なんかありました」
「え?何があったの?
これは……冒険の説明書?」
「おぉ!それはいいじゃねぇか
その本に、冒険の仕方が書いてあるんだろ」
(そんな都合のいいことあるのかな?)
「読んでみてよぉ」
「う、うんえーと」
パラ
「冒険をするためには
まずは、村1を出て森に行くべし!
その森でスライムを倒しまくるべし!
逃げるから捕まえてね
その次に、どっかの村か町に行くべし!
どのくらい離れてるのかも
どこにあるのかも知らないけどね
あとは……頑張れ!」
「ほうほう、なるほどな
とにかく行動あるべし!てことか!」
「そういうことですね」
(いや、これも雑すぎるだろ!
確かにスライム逃げたけどさ
いや、逃げてないし!僕が逃げたわ!
それに、どこかの村か町に行くべしって何?
どこにあるかも分からないところに行くの?
なんで、みんな納得してるの?)
「よし!この本は持ってこうぜ!」
「そうだねぇ大切な物だからぁ」
「ほら、ユウシヤ行くなの」
「あ、うん」
(その本、ほんとに持ってくんだ
そこまで役に立たない気がするけど)