第13話タイガーの情緒もバグってます
「ありがとうございます」
「いいんだよ、大丈夫？」
「はい、また失敗しちゃったなって」
「……」
「失敗は誰にでもあるなの！」
「そうだよぉ」
「なぁ、マジック」
「はい」
「なんで、そんなにビクビクしてんだよ」
「え？」
「タイガー？」
「どうしたなの？」
「そんな、ビクビクなんて」
「してるだろ、俺ならわかる
俺は、みんなから怖がれてたからよくわかる
そんなに、ビビってたって上手くいかねぇぞ
俺の知る限り成功したやつはいねぇ
何が理由なのかは知らないし聞きもしない
だが、おめぇを責めるやつがいたら
それ以上に、受け入れてくれる奴がいる
もし、いないと思うなら俺がなってやる」
「……」
「お前の、味方になってやる、受け入れてやる
だから、もっと堂々としてろ！
俺は、体当たりが得意だ！
身体だけは鍛えてきた
もっと、俺たちを信用しろ！
ダメならダメって言え！言ってくんねぇと
気づけねぇんだ俺、頭悪ぃからよ
顔上げて、目を見て言ってくれ一言でいい
ゆっくりでいい、それで俺はわかるから」
「……グスッ」
「え……な、泣くことないだろ！
お、俺強く言いすぎた？」
「知らないなの！」
「そんな無責任な」
「タイガーさんも無責任ですよ
そんなこと言って」
「俺は、責任が取れるから確信してるから
言えるんだ」
「うふふ、ありがとうございます」
「お、笑ったな」
(タイガーは、頭が悪い代わりに
相手の気持ちを人一倍考えてきたみたいだ
それが、すごいことを本人は気づいてないかな)
「よぉし！腹が減った！飯行こうぜ！」
「えぇ？マジック泣いてるのにぃ」
「飯食えば、大丈夫だろ」
「そんなことないなの！」
「そ、そうなのか？」
「あはは、そしたら僕何か買ってくるよ」
「おお！それなら俺は、元気丼！
こいつも俺と一緒だ！」
「え？私は」
「元気丼食えば、元気出る！」
「そ、そうなのですか？」
(いや、違うよスタミナがつくから
元気丼って名前だよ
騙されないで)
今回は、早めの登場！ナレーションでーす
「今回はぁ、僕っちだよぉ」
えっと、ユルカくんか！
「正解だよぉ」
ひとつ気になるんだけど
タイガーって情緒バグってる？
「うん、バグってるねぇ
急に、怒ったと思ったらぁスンってなるしぃ
笑ってると思ったらぁ
泣いてることもあったしぃ面白いよねぇ」
そうだね、ついていけない気がするよ
