10話 新庄誠
俺は思い出に浸ることはできなかった。今この状況をどう打開するかを考える必要があったから。
人殺しの誠ね。この噂を聞いた時き呆然したのを覚えている。
根も葉もない噂に嫌気がしていた。そして、俺の喋る猶予も与えずに同級生は言ってくる
「今度は、誰が死ぬのかな」
くすくすと背後の人達も笑っていた。何が面白いやら。人と関わったからこうなってしまった。あの時部活を断っていたらこんな状況にはならなかった。いや、その考え方はダメだ、他人のせいではなく、俺が優しいすぎたからだ。言ってきても基本言い返したりはしなかった。だって俺は優しかったから、友達が欲しかったから。けど優しすぎる故に舐められしまった。弱い存在だとイメージが付いてしまった。
でも優しい人でいることは悪くはなかった。純恋と出逢えたからだそれだけで優しく生きてきた理由がある。けど、今の俺には優しくしたりする理由がない、だって俺は人と関わりを持ちたくないからだ。じゃ何で部活入って色々な人と仲良くしてるかって?それは、純恋と約束したからだ。
「お前も楽しそうだな、上辺だけの関係で」
俺の口調は怒りを表していた。止まらなかった。
「なあ、周りから友達がいなくなる感覚がわかるか?」
優しさの欠片もない発言が続く
「もし、俺が人を殺したとしたら、お前も人を殺してるぞ」
実際俺は傷ついた。沢山の友達が消えて、教室は俺がいない雰囲気にされて無視もされた。誰も助けはくれなかった。
「てか、噂を信じてその人を評価するの、どうかとも思うけどな。噂なんかいくらでも捏造できる。」
頭の中は怒りの感情しかなかった。桜と美穂は暗い表情を浮かべている
「す、すまん」
と、だけ言ってきた。同級生達はその場を去った。
まさか言い返してくるとは思わなかったと思う。
そこで、俺は思ってしまう。俺って優しい人間なのかって。俺って性格悪いのか。あれ、わからない俺ってどんな人間なんだ。逃げる理由をばっかり見つけてそれにすがるそんな人間なのか。
「すまん、俺、部活退部する」
俺はそれだけ言い残し帰ることにした。
5人とも俺に失望してるはずだ。優しいと思っている人間が急に怒ると、何この人?ってなったりすることがあると思う。まさに今それが、今の状況だ。誰も呼び止めたりはしなかった。その現実に泣きそうになる。勝手に期待して勝手に落ち込む。そんな俺が嫌いだ。
家に着き。靴を脱ぐ、ソファーにもたれ今してきたことを思い出す。下を向く、中学の頃の思い出がフラッシュバックする。今純恋が生きていたらどんなことを言うのかな。君は世界で一番優しよって言ってくれるか。また、俺と遊んでくれるのか。
変わろうとしても人間の性格なんか変わらない、あの時に優しかったのは本当の自分だったはずだ。それなのに今の俺は腐っている。心が腐ってくる、賞味期限なんかないはずなのにどうしてこうも汚い心になっていくんだ。あの時の思い出や、あの時の写真、全部が嫌になってくる。部屋中を散らかした。誰も来てくれない家だ、だった全部破壊すればいい。荒れた部屋のソファーに座り再び考えた。
俺という人間を。
俺は、何故イライラしているんだ、何に怒ってるいる。多分自分自身に怒っている。沙也加先輩と話し合いをした時誓ったはずだ、俺は変わると。また、逃げたんだな、俺。散らかった部屋を見る。何とも言えない感情になった。なぁ、俺も..
部屋のインターフォンが鳴る。こんな時に誰だよと思いながら玄関に向かう。
「お待たせ!!!」
「な、何で」
今目の前にいるのはさっき俺を失望したはずの部員だった。
「放っておけるわけないでしょ」
雪が言う。あの時の雪にそっくりだった。他のメンバーもそうだそうだと言う。
「ごめん、部屋散らかってるけど上がるか?」
俺の承諾を取る前に家に入ってくる
「荒れてるね」
桜が言う
「さっ!片付けるか」
毅がやるぞという感じで言う。さっきまで散らかっていた部屋は変わっていた。前よりも綺麗になっていた。
「じゃ、みんな座って」
雪の言葉にみんながはーいと答えてテーブルを囲む
「新庄誠!君の依頼はなに」
泣きそうになった。いやもう泣いていた。震える声で微かに聞こえる声で言う。
「俺を助けてください」
そして、雪、桜、美穂、毅、沙也加、は言う。
任せろと。
応援よろしお願いします。楽しい作品を提供できるよう頑張ります。
誤字脱字や漢字のミスがあると思いますが心暖かく読んでいただくとうれしいです。
ブックマークや評価お願いします




