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つむじってなんだっけ

作者: 小波


 あーほらほらあれあれ、名前出てこないや。

と、可愛らしいひとまわり年下の奥さんは頭のてっぺんを指差した。

あ、つむじね! 

そうそこがね‥‥


息子さんのつむじの形の話をしていた。

私もそこで、つむじ出てこないってやばくないっ!?とは突っ込まないで話を続けていた。


ひとまわり年下の隣の奥さんは母業としては先輩である。30過ぎの私は2人の男児を育てることをすごい!すごい!と言ったら2人の方が楽なんですよーと教えてくれる。ひとり娘でてんやわんやだったので信じられない。そんな私も2人目に出会った時から2年も過ぎて今は意味がすっかりわかる。一対一の集中した関係性は緊張するものだ。あの可愛い奥さんアドレス消えてしまい悲しかったけど元気でいるだろうか。私がスマホの故障でやってしまってあれから4年経つ。今頃3人くらい育てているのかも知れない。


つむじという単語が出てこないと私の家庭では


はっ!と小馬鹿にされたものだ。


また、ある時は換気扇を止めて欲しくて扇風機止めてと言ったら笑っていた。(こちらは微笑みの方です)


マザーブレインについて私は少ししか知らない。産後は体の使った事ない場所を使う。母乳であるとか聞いた事ない泣き声に反射的に対応するとか。それでつむじが思い出せない。

そこをいちいち揶揄する夫や思いやりの足りない男性もいるが、なんとなくわかるわと母同士はそうなる。ツッコミ不要です。私は家に帰ってから普段なら大笑いしそうな場面に、ああ、あの人も同じなんだぁと楽になった。


マザーブレイン、それが一時的に脳の機能が低下するものか、いや逆に母として機能する部分が活発になり前より良くなる事なのか、どちらの記述も読んだので、もうどっちだかわからない。ネット検索というのは結局記憶が怪しくなる。

寝不足のくせに食い入るように見たせいだ。



真っ赤な電気の、熱湯のみに特化した沸騰させるポット。


これが今うちにあるのだが二、三年前にはガス代に載せてカチカチっと火を加えそうになったことがあった。部屋もとっ散らかっており、つい載せたのが不味かった。一瞬炙ってしまった。


産後にメールが打てなくなったこともあった。どのボタンかわからない。漢字も部首を間違う。後出てこない。そうしたら保育園の先生も謎な漢字で連絡ノートを記していた。先生もご自身の保育園児を他の子達と一緒に混ぜて育ててくれていた。


メールの時は機種変もあって大混乱した私は案の定思いやりの欠けた夫に

はっ!?をやられたのだった。恨むよ。


そして先生の誤字には笑みが溢れてしまう。肩を抱きたい。


出産後の脳みそは確かに書き換えられている様だ。建て増し工事というより基礎から打ち直して建て替えである。


人によっては性格も変える。私もだいぶ快活になれたと思っている。出産ありがとう。

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