「名実ともに悪である」⑱(生きる意味)
その声は犯人のものだった
母船
ヘクター「なぜお前がこの回線にいる」
犯人「まあ聞けよ…」
犯人「俺たちは今、旧型の核弾頭とその発射ミサイルを持っている」
犯人「それを、エルビス復興のために使えばいい」
ヘルハウンド隊「!!」
ヘクター「何の真似だ」
犯人「…ある男の話をしてやろう」
犯人「その男は軍に入隊したとき17だった」
ヘクター「…」
犯人「そして仲間ができ親友も増えた、しかし、」
犯人「その戦いはそれらをすべて破壊していった」
ヘクター「…」
犯人「そして仲間が増える、そして死ぬ…その繰り返し」
犯人「生きる希望も、生き残る気力もない!」
犯人「俺はもう疲れた…だが」
犯人「今の俺は人形でしかない」
犯人「過去にも未来にも俺の人生なんてない」
犯人「今の俺にあるのは復讐心だけだ」
ヘクター「…何をカッコつけている」
ヘクター「生きる希望だの理由など、そんなものはない!」
犯人「…」
ヘクター「そんなものは死んだ後に分かるものだ…
逃げ続けていたお前に答えなど見つけられるはずがない!」
犯人「…そうか最後の最後までお互いに分かり合えなかったな」
ヘクター「…」
犯人「お前らに教えてやろう…」
犯人「発射可能な三つの核弾頭はすべてターナ国、アルバス国、エルビス国、国境付近に設置してある」
犯人「すべての国が攻撃されたと認識できるように細工をしといた」
犯人「ミサイルが発射されるまであと2時間半…せいぜい頑張る事だな」