「名実ともに悪である」⑬(カバンの中身)
アルベルト国内 議事堂
「カバン」
それは、大陸間弾道ミサイルに伴い小型化された廃棄処分予定の核弾頭だった
その「カバン」が無くなったその情報はアルベルト国の情報機関にも届いていた
そして前首相も海外におそらく逃亡したらしいという情報もキャッチしていたのだ
ジェームズ(男①)「引き続き調査を続行してくれ」
議員①「分かりました」
そう言い終わり窓越しに外を見る
(おそらく前首相が持って行った情報は核弾頭だけではないだろう)
(逃亡国はおそらくターナ国か…それとも…)
思いにふけるジェームズだったが不穏な考えはふっしょく出来なかった
問題は元エルビス領を自治区にして不穏分子を処理し、ターナ国政策として
独立準備をしている事だが、治安が悪く思うように進んではいないことだった
(ヘクター、バッカス無事でいてくれ)
元エルビス領
バッカスが少女を民家に預けてから3か月余りが過ぎた
そして、過激派とうまく間合いを取りながら情報把握する中で
犯人たちと出会う、そして犯人が少女の正体と重要な情報を持っている事が
分かった、そして、数か月、経つうちに犯人の手がかりを見つけた
そして、今犯人がいると思われている民家に、突入しようとしていた
3…2…1そして突入すると、犯人が使ったと思われる無線機やジャッケト
機械のパーツなどが散乱していた
そして、その散乱したデスクの中に日誌を見つけるのだった
そしてそれは、少女の家系(血筋)の事が書かれているものだった
それは、少女の家系が旧アルベルト国、王族のDNA情報のはいったUSBを守るために
王族に似せられ作られた人口ロボ、
王族の指紋認証、DNA情報がないとあらゆる国
の機関が使えないということだった
そしてそれは、核弾頭も同じであり全てはリンゴのペンダントに左右され
それを見たバッカスは先を越されたことを感じ
急いで孤児院に戻るのだった
民家兼孤児院
少女がバッカスと離れた後一台の黒いバンがやって来た
そしてその中から犯人と赤髪の少女が現れた、そして古民家に入っていく
犯人「久しぶりだなオリビア」
そして、その中からバッカスが連れてきた少女を赤髪の少女が見た瞬間
少女は明らかに自分に対して憎悪の様な感情を持っていると感じた
犯人「分かっているよな、ヘクター達の情報を言ってもらうのと
今回の件で2回目だ、3回目に成りたくなかったらアイツ(バッカス)が来たら通報しろ」
三回目つまりレットカードの様なものでそのジャッチが下されること
イコール死刑の様なものだった
オリビア「…」
犯人「分かったな」
道路
バッカス(遅かったか!)
車から降り民家に向かおうとしていた時だった
元エルビス兵「止まれ!!」
バッカス「!!」
古民家に待機していた元エルビス兵により逮捕されるのだった
捕まったバッカスは取調室で尋問を受けていた
爪は割れ、あばら骨はひびが入り、血がにじんでいた
しかし、一瞬のスキができた時だった、紙に血でメッセージを残し
窓から捨てた
「あの子(少女)を頼む」
その紙をミカが拾いそして実行に起こすのだった
少女も別の部屋で取り調べを受けていた
リンゴのペンダントも剥奪され
DNA情報も取られた時だった
その時の担当は犯人ではなく赤髪の少女だった
そして、その赤髪の少女が口を開いた
赤髪の少女「お前は、少しでも自分の存在意義を考えた事があるか…」
少女「?」
赤髪の少女「私は犯罪者や重罪人の魂をシミュレートすることでしか
自分の存在意義を発揮できない」
少女「…」
赤髪の少女「私はそう作られたロボットだった」
赤髪の少女「私はあなたと違う、作られた目的も環境も」
赤髪の少女「その事をよく考えることね」
そう言って赤髪の少女は部屋を去るのだった
その後バッカスの処刑日が決められ一般大衆に情報が広がるのは
もうすぐの事であった
公処刑場に向かうとき護送車にバッカスが入れられた時だった
バッカスは舌を拷問されている最中に抜かれていた
ふと、犯人がやって来たそして窓を開け話しかけてきた
犯人「バッカス、また会ったな」
バッカス「…」
犯人「心配するなアイツ(少女)は元気だ」
バッカス「…」
犯人「…まあ、それだけだ、じゃあな」
バッカス「…」
(ミカ、アイツの事は頼んだぞ)
その頃、少女も護送車で別の場所に移ろうとしていた
護衛①「…こちら問題なし、しばらくしたら目標の移動を開始する」
護衛②「こちら護衛②了解」
護衛①「さあ、入れ」
そして、護衛①を運転手に残し護衛②は去った
そしてすぐに聞き覚えのある声が聞こえた
ミカ「元気?」
少女「ミカさん!」
ミカ「静かに…」
眠っている護衛を確認するとミカは鍵を開け始めた
そして、開けると少女を呼んだ
ミカ「こっちよ!」
そして、言われた通りについてくると
拠点として使っていたキャビントラックに座らせられた
ミカ「いい、ここで待ってるのよ」
そう言ってミカはバッカスの元に向かうのだった
公開死刑場
人混の奥に、一段高くなっているところがあった
そこに、一人立たされている男がいた
目隠しをされ壁際に立たされている
そして周りの民衆からヤジを飛ばされていた
ミカ(バッカス!)
そしてその手前には銃を持った兵士が大勢並んでいた
その光景を見たミカは、すぐに行動しようとする、
人混みをかき分け進んでいこうとする
しかし、その行為を妨げる者がいた
それは、ヘクターだった
ミカ(どうして!?)
ヘクター(明らかに人混みが多すぎる、あきらめろ!)
ミカ「離して!」
直後、銃声が鳴り響く
ミカ「バッカス!!!」
唖然とするミカをヘクターが無理やり引き連れていく
そして湧き上がる民衆の声の中バッカスの姿が人混みに消えていき
ミカとヘクター達はその場を後にするのだった
夜
ヘクター達はその後、民家に戻って来ていた
そして二人とも沈黙を貫いている
オリビア「…ごめんなさい、私が通報したばかりに」
ヘクター「いや、いいんだ」
ミカ「…」
ミカ「ヘクター私はもう限界」
少女「…」
ミカ「チームを抜ける」
ヘクター「待てミカ!」
そして外に出たミカを追う、
その時だった部屋にスモークグレネードが撃ち込まれた
全員「!!」
そしてミカが臨戦態勢に入ろうとする
ヘクター「ミカ待て、俺が行く!!」
するとヘクターは何のためらいもなく外に出た
ミカ「ヘクター!」
そして歩いていき敵の兵士がいるところまでやって来た
ヘクター「お前らが特使か?」
兵士「そうだ、貴様らを捕らえ連れてくるよう命を受けている」
兵士「大人しく従ってもらおう…」
ヘクター「分かった…」
そうして、ヘクター達は大人しく兵士達についていくのだった