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38話 プレケスの英雄戦 四

殺陣のみです。40話までヴォックスが出てきません。

35~40話まで本日中に2時間間隔でUPされます。

「!」


 片方が壁と壁を移動した死角から、剣を持った男が正面から突っ込んできた。両手の剣を交じらせ受ける。同時、壁を蹴った短刀使いが飛び込んでくるも身体を捻って避けた。少しかすったが仕方ない。


「やはり先に相手をしないとか」


 速さが速さなだけに鍔迫り合いの間に何度か斬り込んでくる。致命傷は避けているが動けない手前浅く傷は増える。どうにかしないと。

 正面の男を力ずくで押し込み、壁に挟むも動いている異国の敵に左肩を斬られ力が緩んだ。私の隙を見て壁に挟まれた男が私を押し、一歩引いたところを剣を振り上げてくる。無傷な右の剣を使って横一線、峰打ちに成功した。倒れる男を見て確かな手応えを感じる。

 息つく間もなく振り返る。追撃と言わんばかりに壁を蹴りこちらに飛び込んでくる異国の敵の瞳が大きく開かれるのが見えた。

 剣を縦に構えて踏み込み、顔面にめり込ませる。壁を蹴り続けて速さをかけた分ダメージも大きかったのだろう、真っ正面から受けた打撃にそのまま地に落ちた。


「……よし」


 左肩の傷が些か深かったのか血が流れる。剣が滑らないよう軽く肩を血止めで縛った。休む暇はない。既に広場に三陣が入ってくる。二陣から三陣がくるまで早い。

 入ってきた瞬間左で首根に落とせば一発で昏倒した。痛みもそれ程ではなく、威力に大きな変化はない。


「やれる」


 続く男の足を払い膝を着かせて後頭部を柄で強打。

 左側から袈裟斬りしようとする男の柄を突いて動きをとめ、ほぼ同時に右側からこちらが袈裟斬りをする。

 倒れる男の背後にいた次の男が膝を落とした男の後ろに現れた。その瞬間に既に横一線し峰打ちし倒す。

 身体を捻って内側から右手側に振り切れば、さらに後ろの三人目のみぞおちに当たった。


「少し息があがるかな」


 二陣と三陣がほぼ同時に続いてきた為に数人に広場への侵入を許す。今ならまだ体勢を整えていないので、大きく回転を仕掛ければ相手側の防御が遅れた。そこを回転をさらにかけて剣を手から離させる。最後に左足を踏み込んで回転を止めて丸腰の男二人の脳天に叩き込んだ。

 背後狙いで振りかぶってくる敵二人を振り返りざま防具ごと腹を突く。それなりのダメージだったのか身体を九の字にして呻いたところ、後頭部を叩き昏倒させた。

 隣に控えていた男の眉間を突くも顔を傾けて避けられる。突いた剣を横に振り男の隣にいたもう一人を巻き込む形で横から壁に激突させ、頭をぶつけて崩れた。


「ふむ」


 侵入した数人を倒すと少し視界が開ける。

 そこに飛び込んできた一人を上半身を捻って解放し左から右へ一線し米神に当てた。

 右へ開けた剣を上へあげて斜め上から左下へ斬りつけ、後に続いていた男の首根に剣が沈む。

 次に正面から二人同時に飛びかかってきたので剣を交じらせ相手の剣を受けた。そのまま押し込んで別の壁へ挟み込み、頭を打って倒れる。


「……」


 足音が多く聞こえた。まだ来るかと半ば呆れて溜め息が出るが概ね予想通りなのだから良しだ。入口付近で倒しすぎたから、仕方なく小さい広場の奥で待ち構えた。

 最初の一人は真正面から走り込んでくる。左上から右下にかけて袈裟斬りをすると速さで勝つも、力では及ばず相手が多少よろける程度だった。やはり左は威力が弱くなっている。バランスを崩した所を足払いし前屈みになったところを後頭部を蹴り私の背後の壁に正面からぶつからせた。

 追走してきたもう一人は軌道が完全に読めたので身を捩り避け、勢いで身体が落ちたのを狙って脳天に剣を叩き込む。

 すると複数人が走り込んできた。


「そこそこいるな」


 左右に展開し囲ってくるのを確認し、先に仕掛けてきた右手側の男の剣を斜め下へいなして体勢を崩させる。正面から最初の者とは違う異国の双刀使いが飛び込んできた。壁を走る手練れといい、様々な国の人間がいるなと感心してしまう。


「ふっ」


 右手のみ振り下ろすと双刀使いは防御に回った。二つの剣を防御に回すと存外隙ができるな。私も気を付けよう。そう思いながら左の剣を追撃とばかりに受けて交わる双刀に叩き込めば力で押し勝ってそのまま脳天を強打できた。

 後ろに控えていた敵が倒れる双刀使いを足蹴にして高く飛ぶ。勢いのまま力づくで斬り込んでこようとするのを後ろに下がって避ける。ギリギリで避けたものだから目の前の地に刺さる相手の剣を今度はこちらが左足で足蹴にした。私が押さえつけめり込ませた為に刺さった剣が抜けなく戸惑う男を放って、右足を背後に踏み込んで回転し背中狙いの男を相対する。回転をかけたみぞおちへの攻撃は相手より早く到達し昏倒させた。

双刀使いは中国感。蛮族は多国籍です。

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