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36話 プレケスの英雄戦 二

殺陣のみです。40話までヴォックスが出てきません。

35~40話まで本日中に2時間間隔でUPされます。

 残数五人、敵後方から大量の足音が聞こえた。次の一団のお出ましというところ。予想通りだ。ここでもたついていたから加勢しに来たのに加えて陽動と誘導がうまくいったのだろう。挟み撃ちされるのは避けたかったから万事策は順調ということだ。


「あ、」

「逃げたぞ!」


 狭い路地手前でのびてる敵の腰から鞘ごと剣を奪い逃げ込む。


「追え!」


 応援がきて怯んだように見えたのか、こちらの思惑通り追いかけてきた。この路地は私が両腕をぎりぎり伸ばせる。がたいのいい男性では二人ならんで通れない。


「おや」


 よくよく見ればあちこち服が裂けている。血は流れていないものの全てを避けきるのは難しかった。


「許容範囲かな」


 走り込んで暫く、窓の外に干されている布を目にし一度止まる。

 追いかけていた敵が罵声を飛ばしながら迫る中、敢えて笑顔で引き返してやった。


「な、ん」


 瞬時に肉薄し真上から飛びかかる。走る勢いと上からの重い攻撃に足が止まったところを両足で腹を蹴り飛ばした。一度呻いてそのまま崩れる。

 左よりから通り越そうとした敵の上からの斬撃を左手の剣で弾き、左足を回すようにみぞおちに蹴りあてると、敵は勢いで壁にぶつかり昏倒した。

 その間に右側から抜けてきた男が振り下ろしてくるのを右手の剣を横向きにしたまま斜め上に掲げて受ける。

 左の剣で胴を叩き倒し、崩れた三人の後ろから細身の男が二人、無理やり身体を斜めにしながら同時に飛び出してきた。


「ここまで狭ければ問題ないかな」


 剣の軌道が予測できる。左手と右手にしか剣を持てず私の正面を振り下ろすしかない。剣を傾いた十字にして構え、その中心に二人の剣が飛び込んでくる。相手はあまり力が入らない為か簡単に弾き返すことができた。二振りの剣を下ろして首の付け根にそれぞれ一撃与える。

 左右に割れて倒れるその中央を踏み込んで背後にいた男が一瞬判断に迷う。その米神に左から剣を当てて昏倒させた。


「うわ」


 さらに踏み込む。右よりに剣を構えていた敵の剣を叩いて剣をさげさせると同時に力づくで膝を折らせた。

 頭一つ下がり、その後ろにいた男の首に向かって右手を捻って横一線し崩れる。膝を折っていた者の体勢が整う前に柄で首筋目掛けて振り下ろし昏倒させた。

 あいた左手側から当然のごとく敵が躍り出てくる。一人目は左手の剣で通らせないように剣を突くと止まろうとした反動で身体が九の字に曲がった。そこを顎を蹴り飛ばせば意識を失い倒れる。 

 さらに右手側、もたつきながら進んできた敵を肘鉄を食らわせ壁と挟ませて落とした。

 そろそろ頃合いだ。


「あ、また逃げた」

「追え!」


 再び路地深く走り出す。

 一瞬躊躇いを見せるも後方からリーダー格の男と思われる声を受けて追いかけてきた。

 最初の場所より小ぶりの開けた場所に出る。あまり路地で戦っても倒れる敵の数で道が塞がってしまう。定期的に広場に出て減らしてまた路地にはいる。これを繰り返すしかなかった。再び集団戦といこうか。


「副団長!」


 屋上から投げ入れられたのはただ長い棒だ。先へ進む為の路地入口側に剣二本を刺した。広場を網羅できる長さ。さてうまく扱えるか。効率を考えたら長物は便利だけど、扱いやすさは剣で最後まで悩みはした。手にした手前やめるわけにはいかないかな。


「視察団より連絡ありました! 一時間程です。奴らは四陣まで来る模様!」

「了解」


 意外に早かったし、四陣というのも予想通りか。

 進捗と状況を伝えに屋上の騎士に去るよう促す。金属の加工で何に使うかはさておき、鉄と思われるこの長物はそこそこの重量だ。


「手早く済まさないとかな」


 ここである程度減らしておきたい。

 雑な足音が近づき構える。かつての遠征で似たような形で相対した経験があったが、逆側で再び同じことをするとは思わなかった。


「いたぞ、え」


 路地から躍り出た瞬間、大きく振るって首から右手側へ薙ぎ払う。威力は上々だ。

 しかしやはり大振りになってしまう。四人侵入を許し、振り下ろしてくる剣を受け止めた。四人分でも受け止められる。足を使い長物にひっかけながら遠心力を使って振り払い一回転、足元救われ倒れた内の一人が地面に顔を強打して気絶した。

 膝をついたり、手で転倒を防いだ残り三人の様子を見つつ、侵入し背後に回った五人目を突く形で昏倒させる。

 半回転する形で横一線し、体勢を立て直した男一人の米神に当て倒れた。

 足で踏ん張りを利かせ、横に持ったまま正面へ突進すると体勢を立て直した残り二人の首を捕らえた。そのまま押し切って壁に激突させる。

再び壁ドゥンあり(笑)。

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