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35話 プレケスの英雄戦 一

殺陣のみです。40話までヴォックスが出てきません。

35~40話まで本日中に2時間間隔でUPされます。

 所定の場所で防具を外す。

 狭い路地に繋がる小降りの広場で静かに待った。少ない罠と設置したバリケード、誘導の役目を担った騎士とプレケス住民の陽動でこちらの広場に来るようになっている。

 程なくして多くの足音が聞こえた。


「女? 一人?」

「待て。騎士だ」


 剣を持っているのだから騎士とすぐにわかってくれてよかった。安心して始められる。


「防具をとったのか? なんのために?」


 答えは簡単、身軽になれるからだ。今回の策ではこちらの素早い先制一撃で抑えていくのを念頭にしている。

 退路は一つ、狭い路地を背にして正面に鞘に収まったままの剣を構えた。私の殺気で察した一陣は目配せで展開し私を半円上に囲む。


「始めましょう」


 右手側から声を上げて振りかぶってくる男を左から横一線。

 倒れていく男の背後から飛び出し突っ込んできた敵を右から一線してこの一瞬で二人倒れる。


「なん、……」


 峰打ちにしたとはいえ、一撃で意識を失った仲間の姿を見てひりついた空気を見せた。攻撃の速さを考えれば蛮族の先見隊には十分対応できそうだ。


「油断するな」


 再び右手から隙だらけで振りかぶってくるのを左下から右上にかけて振るって斜めに敵の全身へ斬りつける。その間に背後、死角に回ってきた敵に相対する為、左足を踏み込み半回転し斜め上から斬り落とす。

 正面に体を戻すと右手から高めに一線が来るも軽めに屈んで避ける。やはり数が多いと同時に来られて対応が遅れるな。


「っ」


 と思ったところにさらに横一線、屈んだ私の頭部狙いで来るのをさらに姿勢を低くして避けた。

 体勢を起こしたところに低く一線がきたので剣を蹴りおとす。しかし手早く後退して私の攻撃を避けてきた。攻撃されると防戦に片寄るから早く攻めに戻ろう。

 背後から剣を振り下ろし迫る敵を脇腹への剣で受け腕ごと下げさせ、その背後にいた敵二人を剣の柄と刃先を横にして持ち、相手の首目掛けて突っ込んだ。そのままかたい壁に激突する。退路の狭い路地を塞がないよう倒して体勢を立て直した。


「っ」


 背後狙いの真上から振りかぶる剣をやや高い位置で横に振りきれば、相手より先に攻撃を当てることができた。

 その後ろから飛びかかる敵を右下から弧を描くように回して斬れば勢いに乗った速さで相手に押し勝った。

 さらに三人目が飛び出してきたのを剣を受け流して勢いによろついた背中を蹴って壁に衝突させる。

 少し位置を戻すか。

 広場の中心へ駆けた。驚いて怯んだ男の顔面を拳で殴ればそのまま昏倒する。強すぎたかとも思ったが、鼻の骨は折れてないはずだからまあいいだろう。


「よし」


 ついでに剣を横に振るってもう一人落として輪の中心に着く。思いがけない移動だったのだろう。周囲は私に距離を詰められたまま安全圏まで距離をとることができない。

 一息着くこともせず、周囲が距離を取る前に反時計回りに大きく半分程回転し斜め上へ剣の軌道を辿りつつ周囲の剣を浮かせる。背後に回ろうとしていた敵は回転の勢いで吹っ飛ばした。

 回転を止め、踏ん張ったまま左から右へ一線し、相手の米神を叩いて昏倒させる。

 右手側から胸元の高さを横一線するが、多少後退するだけで倒れるほどではなかった。


「ちっ」


 体勢が崩れているから今がチャンスだ。追撃に一歩踏み出すも、左後方に移動していた男の相手をするために左側に半身振り返る羽目になった。やはり多人数はやりづらい。

 振り返った時には右側から脇腹めがけて振るわれていて、剣を受けると同時に体勢を立て直した他の一人が背後に回りつつ近づいていた。上から下へ振り下ろしてくる。受けていた剣を突き放して少しよろついてる間にすぐさま峰打ちにした。

 背後に回った敵が胴狙いで斬りつけるのを剣を逆手で待つ形で受ける。十字に交わった剣から鋭い音がした。


「っんの」


 目の前の体勢を戻した男が狙いを定めて上から剣を振り下ろす。受けていた剣を捻り、一人目の剣を受けたまま二人目の剣も受けきった。二対一の鍔迫りあいに一人目の腰に二振り目の剣が腰に吊るされてるのを見て、そちらを拝借する。

 自分の剣に新しい剣を乗せ、押されてよろけたところを弾き返した。一人は勢いで壁に後頭部を強打し気絶、踏ん張りきったもう一人を二つの剣で真上からの振り下ろしで脳天をたたいて昏倒させる。


「ば、化物かよっ」


 ふむ、もう少し弱さを見せた方がいいだろうか。しかし油断すればこちらが危うい。

 反時計回りに回転するついでに右手側にいた男を一人峰打ちにし、ただ力任せに一回転してみた。速さに追い付けない者が胴を叩かれ倒れていく。さらに二人ほどやれた。


「対応出来るのはヴィーだけか」


 大振りで隙が出来るとヴォックスと戦って知ったが、蛮族の腕前程度なら有効のようだ。周囲は大振りの攻撃に怯む。飛び出した勇敢な男を回転の余波が残る中、右足で米神を蹴った。

 倒れる敵の後ろにいた男目掛けて奪った剣を投擲すれば眉間に命中し倒れる。

次は12時更新。

ちなみに今期の壁ドゥンはこのプレケス編での敵を壁にドゥンしているのです(笑)。

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