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桜花姫伝  作者: 澪烙
3/6

遅寝遅起き



とりあえず、何がなんだか分からないまま紫苑は紅蓮に連れ去られるような形で霊峰山を後にした。また、夜更けだったので詳しい話は次の日にまわされた。

結局、いまだに紫苑は詳しい状況がわからないままだった。


そんな感じで次の日♪

紫苑はなんだかすっきりしていない感じで起きた。

いまだに寝ぼけ眼で頭がはっきりしない。

「・・・あ、!!!」

紫苑は何か唐突に短く言葉を発した。

因みに同室のセツナ先輩は既に仕事場に行ったので、部屋にはいない。

「昨日のは悪夢だったのか・・・。」

紫苑の脳内で何が起こり、何をもってして昨晩起きた妖魔との出会いを悪夢としたのか全く不明な発言だが、ただいまそれを突っ込む人がいない。

「というわけで、今日の書類の確認から行きましょう!!」

どういうわけか分からないが、とりあえず紫苑のポジティブシンキングにより昨日のことは無意識のうちに頭の中で消去された。

だが胡桃先輩に言われたことはきちんと覚えているようで、机の引き出しの上から一番上に毎朝連絡紙が入っているのは覚えている。

「さてさて、今日くらいは見習いの時の友達からの手紙が入っていたりして・・・ってそれはないか〜」

紫苑は苦笑しながら、一番上の引き出しを引いた。


バンッ!!!!!!!!!!!!


自分でもびっくりするくらいすごい勢いで紫苑は引き出しを閉めた。

「・・・ははー・・・そんなバカな・・。」

後半は、若干絶望的な顔であった。

そんなこんなで紫苑はおおよそ中に何があるのか掌握した状態でもう一度引き出しを開け、中にあった紙を手に取った。紙は目立つように赤かった。

紙には以下のことが書かれていた。

『見習い給仕の紫苑へ』

「どうもご丁寧に役職名まで書いていただけて光栄ですけど、上の役職の人から”見習い”ってことを言われるのはちょっとムカつく・・・」

読みながら紫苑がちょこちょこ突っ込むのは無視して・・・

『あなたは無事に姫様付きの称号会得テストを合格しました。

よって姫様付き見習い給仕の称号を獲得しました。

これからも見習いとしてより一層見習いの腕を磨くように精進してください。


なお、あなたがこの手紙を読んでいるときには既にあなたは寝坊しているでしょう。』

ここでまた、紫苑は現実に引き戻され部屋にある時計を見た。時計が指す時間は十時半。

紫苑が仕事をし始めるのが十時。

よって遅刻決定!!悪ければ減俸・・・

手紙にはまだ続きがあった。

『しかし、心配は要りません!私の(権)力で今日は一日あなたは休みということになっているので、今日の午後二時に胡桃に話しかけて私の部屋まで来なさい。


                    by紅姫 紅蓮』

「というか、権力のところだけなぜに括弧つきなんだろう?」

突っ込みどころ満載の紅姫の手紙を読み終えて色々と気持ちがおさまらない点もあったが、紫苑は午後二時に胡桃先輩のところまで行った。


胡桃はちょうど(?)休憩中だったので、第二控え室でリラックスしていた。

そこへ、きちんと身なりを整えてきた紫苑が来た。

「胡桃せんぱーい。」

「紫苑じゃない!!よく眠れた?」

「ははは、昨日のことが悪夢だったのでまったくよく寝れませんでした。」

紫苑は素直にそう答えた。

「それもそうね。それにしても紫苑礼服着てるのねー。感心感心。」

「紙からすると姫様に会う気がしたのでとりあえず礼服を着てきました。」

紫苑が着てきた服は赤い上着と赤いスカート。靴下は白。

「私のときは礼服じゃなかったけどねー。」

「・・・私のときは??」

紫苑は気にかかった点をそのまま口に出した。胡桃先輩も姫様付き何たらの称号を持っているということだろうか??

「そうよ。詳しいことはここじゃあ話せないから、そろそろ貴方を紅姫のところへ案内するわよ。」


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