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緊急地震速報のおかげです

 

 一昨日遅くにかなり大きな地震があった。

 ちょうど遅い晩御飯を済ませてテレビを見ていた頃だった。緊急地震速報がけたたましく鳴った。

 あの音を聞くといつも一瞬ドキッとしてしまう。それでもその日はリラックスしていたのもあって、どうせまたいつものようにたいしたことないんでしょう?と思いながら、立ち上がって食器棚から離れていたら、結構大きく揺れはじめた。


 天井の梁が揺れている。軋んでいるようにも見える。鉄骨コンクリート造りなのに。

 こうなると、うちのアパートは築年数がかなりあるから、崩れるんじゃないかとちょっと不安になってくる。

 崩れてからでは遅いので、念のため壁が多い玄関付近まで移動しておいた。まあ、たった数歩のことだけど。

 こうした場合、いつもは食器棚を押さえにかかっていたけれど、今回はちょっと揺れが大きかったから本能的に恐怖を感じてしまった。幸い揺れの方向が棚には影響しない方向だったから何もなかったけれど、これでは本当に棚を押さえないといけないときに、押さえられる気がしない。


 揺れが無事に収まった後は速報の嵐だった。

 電車は新しい設備のもの以外はほとんど全て止まったようだった。しばらくして再開したらしいけれど、深夜に疲れてやっと帰れると思ったら電車に閉じ込められるなんて、なんてお気の毒なのだろうと思う。


 工場勤務の知人はもしかして深夜まで現場確認作業に追われていたのだろうか。作業中は一種のハイになっているから大丈夫と思うけれど、終わった今頃はぐったりと疲れているに違いない。ビールでも呑んでほっとできているといいなと思う。癒すのは奥様がいるからいいとして、落ち着いた頃に連絡してみてもいいかもしれない。




 緊急地震速報とはありがたい機能だ。少なくとも五秒あれば火は消せるし、もしもの時の対応について思い出すことができる。たいした準備をしているわけではないのだけれど。

 あの機能は、東日本大地震の時にはあった気がするけれど、いつからできたのだろう?東日本の地震の後は、あの危機感を誘う音がしょっちゅう聞こえていてかなりナーバスになったものだったが、今は大丈夫みたい。ポポポポーンは唯一の癒しだったと思う。


 どういう理屈かはよく分からないけれど、各地点にある地震計が微弱な前触れを感知するか、地面の下をモニターして、伝播する前に知らせるという機能だろうか?それともP波、S波とかと関係あるのだろうか?

 調べてみたら、地下深くで地すべりが起きると、その動きが地表に伝わる伝わり方として、P波という地面が圧縮されたり引き伸ばされたりするような波と、S波という、いわゆる横揺れの波の両方が発生し、P波の方が早く伝わるから、全国各地でP波を観測したら即座に警報が出るようになっているとのことだった。

 ちなみにPはPrimary、SはSecondaryから来ているそうだ。それぞれ一級、二級とか、一番目、二番目という意味で、意外とシンプルなネーミングだった。


 解説から察するに、P波は最初のドンと突き上げるような揺れ、S波はぐらぐらと揺れる揺れだろうか?野生の烏なんかは、P波の時点で何かを察するらしく、明治神宮近くに住む人の話によると、地震が来る直前には神宮の杜や代々木公園の方から烏たちが一斉にギャアギャアと騒ぎながら空に飛び立つのが見えるらしい。黒い鳥の群れが空に。それってなかなかヒッチコックの映画みたいな光景だと思う。まあ烏だって驚いて、なになに、いったい何ごと?と互いの無事を確認し合ったりしたくなるのかもしれない。


 何はともあれ、あまり大きな事故もなくて良かった。




 そういえば、ある知人は地震が来たときにちょうど風呂に入っていて、こんな状態で万一何かあったりしたら本当に困る、と、急いですすぎが充分じゃなくてまだちょっぴり泡が残っていたけれど飛び出して服を着ようとしたのだそうだ。ああいう急いでいるときに限ってなかなか着られないんだよね。蜘蛛の巣に絡みとられたチョウみたいに、慌てれば慌てるほどひっかかっちゃうんだよー、とのことだ。まずはしっかり水気をタオルで拭く必要があるようですよ。


 わたしは風呂は済んでいたからそんな苦労はなかったけれど、気がついたことは、これで万一断水したりしたら食器がカビてしまうということだった。


 それ以来、面倒でも食べたらすぐにつけ置きはしないで片付けるようにしている。




(追記)どうやら地震のときに、烏がP波のときに飛び立っている、と書いたのは間違いのようでした。いえ、飛び立つのは間違いないんですよ。そしてなんと、魚のほうが、P波で跳ねるそうです。ちなみにS波のときにはおとなしくなるのだそうです。あんまり興味ないですか?私的にはちょっと見てみたいです。鳥はS波のときに驚いて飛び立つ、が正解のようです。


https://news.yahoo.co.jp/articles/c539eb04f69ba6edc31d0ba27c6139d94617f02f


というわけで、みなさん、魚です。地震がきたら魚の動きに注目しましょう!…いえ、まず身の安全をはかりましょう、でした。






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